取引-4
「おっと失礼。驚かせてしまいましたね。」
「王子様!すっ、すみません、びっくりして・・・。」
「こんな夜更けに、こんな所でどうされたのですか?」
「ちょっと探し物を・・・。」
「探し物?」
そう言いながら王子はティアラのすぐ背後に近づくが、
ティアラは反射的に後ずさりしてしまう。
しかし王子は構わずティアラの栗色の髪の毛を一筋掴んで、自分の唇に当てた。
「良い香りがしますね、風呂にでも入ったのですか?」
「えっ?・・・ええ。」
王子は何かを企んでいそうな笑みをティアラに向ける。