取引-17
「それでですね、あなたも是非わたくしと一緒に我が国へ
来ていただこうと思っています。」
「えっ?!どういう事ですか?」
「わたくしはあなたを、わたくしの妻として迎え入れることにしました。」
「・・・ちょっと待ってください!!どういう意味?!」
「結婚するのですよ、わたくしとあなたが。」
「嫌です!それだけは、出来ません!!私は一般庶民ですし、
ほかにもっといいお姫様がいるのですから・・・」
「ええ、そうですね。あなたは半血です。王族と庶民・・・いえ、ただの農民のね。
」
「――だったら、どうして・・・?」
「わたくしがあなたに一目惚れしてしまったのですよ。」
そう言って王子はティアラの手を取り、彼女の手の甲にチュッと口づけをおとした。
ティアラはその手を振りほどこうとするが、昨日のようにうまくいかない。
益々、王子に固く手を握られてしまう。
「あの・・・離してください。」
「昨日の晩、あなたとあの庭園で破廉恥な行為をしていた男・・・
彼は盗賊だったようですね?」
王子は絶えず嬉しそうにティアラに話しかける。
「今は狩人して暮らしているそうですが、
そんな男あなたにふさわしくないと思いませんか?」