取引-15
王妃とティエラがそう話し合っていたころ、
ティアラは一人落ち着かない様子で、部屋の中を行ったり来たりと繰り返し歩いていた。
(お母さん、大丈夫かな?
なんだかあの王子、薄気味悪いよ・・・)
そう考えていた時、部屋をノックする音が聞こえた。
ティアラは母親だと思い、扉を笑顔で開けた。
しかしそこに立っていたのは、会いたくもないドミニク王子だった。
「ティアラ、わたくしを笑顔で迎えてくださるのですね?」
「・・・すみません、母と間違えてしまって。」
ティアラは素っ気ない対応をする。
「中で少しお話しても、よろしいですか?」
ティアラは焦った。
このセクハラ王子と二人きりになんてなりたくない。
「だめっ!!あ、すみません。部屋が散らかっているので、外で話しませんか?」
「ふふ・・・わたくしを警戒しているのですね?
いいでしょう、今日もいい天気ですから一緒に散歩なんていかがですか?」