舞踏会-8
―――数日後、いよいよ舞踏会の日を迎えた。
結局ティアラはダンスを習得することは出来なかった。
彼女の母も最初から期待していたわけではなかったので、
もしまた舞踏会が開かれる時があれば、その時までにマスターしてもらいたい。
と特に怒りはしなかった。
ティアラの叔母である妃も、ダンスを踊れないティアラを責めず、
短い期間でよく頑張ってくれたわね。と彼女の練習していた姿を思い出して、
褒めてくれた。
重い足取りで隣国の王子が到着するのを迎え入れるために、宮殿から城へと移動する。
(・・・隣国の王子なんてどうでもいい、こんな事している暇があったら、
ここを抜け出してラウルの元に会いに行きたいのに。
離れていた時間を埋めたいよ・・・。)