舞踏会-4
舞踏会が行われると決定したのは、数日前。
隣国の王子が舞踏会を開催して欲しい。と急に言ってきたのだ。
この王子は隣国の次期王である長男ではなく次男なのだが、
だいぶ甘やかされて育てられたため、
我儘放題だという噂は近隣の国王たちの間では有名であった。
今回の舞踏会も、その王子がある城に魅惑の体つきをした美しい少女がやってきた
との噂を聞きつけて、彼女を一目見たいが為だったのだ。
その美しい少女と言うのは他でもないティアラの事なのだが、
王子の目的については国王と王妃は薄々気がついていたが、
二人は、王子はティアラをただ一目見れば満足するだろうと考え、
ティアラとティアラの母親にはその事は伏せることにした。