舞踏会-11
陽が沈み、いよいよ舞踏会が開かれた。
この国の貴族たちも招き、舞踏会は盛大に行われる予定だ。
王族も貴族も関係なくパーティを楽しみたいとの王子の意向で、
かしこまったものではないそうだ。
ティアラも華やかなドレスに着替えて、会場へと向かう。
こんなに人がいたら自分がいなくても誰も気がつかないんじゃないかな?
と考えてしまう。
しかし、彼女の母はティアラが考えそうなことを見破って、会場まで一緒についてきた。
ティアラと彼女の母が広間に着くと、
すでに盛大な音楽が鳴り響き人々が優雅に踊っていた。
彼女は素直に、“わぁ、綺麗!素敵!”と感嘆してしまった。
見た事のない世界にうっとりとしてしまう。
するとティアラの到着を待ちわびていた男が、彼女に話しかけてきた。
「失礼、お嬢様。わたくしと一曲、踊っていただけませんか?」