〜 情報その2 〜-1
〜 B22番 ・ 情報 ・ HPつくり 〜
学園には過去の先輩方が作った素材がすべてストックされています。 新たに作った素材を含め、それらの中から適当なものを選んで『ページ』を作る。 これが『情報』の第2ステップです。
手始めは専用ソフトを使っての『スライドショー作り』。 専用ソフトといっても昔勉強したパワーポイントのような簡単設計じゃありません。 デフォルトの背景なんて一枚もないし、アニメーションやフォントも一切入っておらず、全部自分で用意しなくちゃいけない仕様です。 システムの根幹に触れることで、パソコンを扱う情報技量があがるということですが、せめて一通り講義してくれればいいのに、手がかりといえば分厚い説明書を渡されるだけ。 後はおっかなびっくりシステムを触りながら、身体で覚えるしかありません。 あ、身体で覚えるというののは決して例えばなしじゃないです。 不正処理をした時に、体に繋いだコードから20ボルトで電流が流れてくるので、本当に身体に覚えさせられます。 痛いのがイヤで電流で激痛を味わいたくなかったら、少しでも早くマスターするしかありません。
スライドショーのタイトルは教官が設定します。 一昨年は『御下劣(オゲレツ)な牝』というお題で、あらゆる素材をつかって20ページのスライドの中に、牝が本性として備えている下品さ、行動の下劣さ、感情の醜悪さ、外観の卑猥さをまとめることが課題だったとか。 で、去年先輩方を担当した教官が出したお題は『新しい職業、新しい用途』でした。 社会に出た牝を活用する方法について、今までスポットライトが当たらなかったものを発表させられたそうです。
先輩がカタカタとキーボードを操作すると、沢山のスライドが入ったフォルダが出てきました。
「えーと、どれを見せたらいいか悩むですね……う〜ん、とりあえず、にっくのでいいですか?」
「何でもいいよ。 みんなにはあんまり評価してもらえなかったけど、ま、参考程度にはなるかな」
【B22番】先輩が開いたスライドは『貝類の分別における牝膣のモデル効果』という、いかめしいタイトルが振ってあります。 スライドの中身はM字開脚した【B29番】先輩が、お股を開閉しながら陰唇をアピールする様子のオンパレードでした。 黒ずんだ大陰唇の中で、まだ桃色が微かに残る小陰唇が、艶めかしく蠢きます。 と、先輩の膣の隣に『鮑(あわび)』の映像が浮かんできました。 続いて『赤貝』『ミル貝』『ツブ貝』『ホッキ貝』といった貝類が登場します。
テロップに『膣で貝の形状をなぞります』という文字が現れました。 きゅむ、こんもりせり出した膣口が収縮し、陰唇が中央に寄ってきます。 ひだ同士がピッタリくっついた様子は、確かに『鮑』にそっくりでした。 続いて膣口がゆっくりと広がり、濡れそぼった胎内の襞が捲れます。 さきほどの映像にあった『赤貝』を彷彿させる形状でした。 こんな具合に全部で10種類ある貝の形状を、手を使わずにオマンコの筋肉を収縮弛緩させるだけで、【B29番】先輩は再現していました。
ぐにゅぐにゅと歪んでは貝のように蠢く膣の横に『用途』というテロップが出てきます。
『1つ。 採集した貝の同定(名前を決定する作業)時、見本として膣を提供する』
『1つ。 採集した稚貝を放流する場合、膣の形状に達しているかどうかで、貝の成熟度を測る』
『1つ。 採集した貝のグレードを決める時、一級品であれば膣よりも襞が大きいとか、ヌメリが膣よりも多いであるとか、膣との比較で品質管理する』
『参考までに、直接の用途ではないが、貝の形状をどこまで再現できるかによって、膣の性能を測定することも可能』
スライドの中では、無表情なままの【B29番】先輩が延々とM字に広げた腰を浮かせています。 股間の中央にある生々しい陰裂は左右に伸びたり縮んだりして、見る人に全身で媚びているようでした。 そこにあるのは『牝の最も大切な部分』というよりも、いやらしくうねる収縮性に富んだ肉です。 【B29番】先輩も、私たちに快活に接してくれる人格をはぎ取られているかのように、機械のような正確さで膣だけ動かし続けていました。
「にに達だって、好きでこんなスライド作ってるんじゃないですよ? 当たり前ですけど」
「それっくらい言われなくても分かるって」
「ならいいです。 ところで、にっくって、確か1回で合格貰ってたです?」
「そだね。 『動かし方が鈍い』とか『実用性は低い』とか、色々言われた割に、あっさり許してくれたっけ。 我ながら楽チンな授業だった気がするよ。 スライドに写真を入れて、動画を1つ貼って、あとは適当に文字を打ちこんで……それだけだったもん」
「今更ですけど、にっくはズルいです。 にになんて十回以上作り直させられたのに……アニメも音楽も演出も頑張ったのに……くそう」