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間接エッチ
【女性向け 官能小説】

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間接エッチ-1

バラバラバラバラとものすごい音のゲリラ豪雨に打たれている一人の少年が、一軒家の門の前に立たたずんでいる。
少年の名前は歩(あゆむ)。

ずぶ濡れになった彼の表情には感情は無く、ただぼおっと玄関を見ている。
カチャっと音がし、玄関の扉のノブがゆっくりと動いた。
歩の目は少し驚いた感じでノブをじっと見ている。
扉が開くと飾り気のない若い女性が出てきた。
二十歳くらいで、細身で、グレーのトレーナーの上下を着ている。足元は便所サンダルのように見える。美人だが化粧はしていない。ストレートの髪の毛を無造作に後ろでくくりポニーテールにしている。さっきまで部屋の掃除でもしていたのか、少し汗ばんでいる。
彼女は歩に気付くと不思議そうに見つめた。
会ったことの無い人だと歩は思った。あの人にあまり似ていないけど、お姉さんかな・・・。じっとこっちを見てる。通報されるかも、逃げたほうがいいかな、でも逃げたら余計怪しいよな。あの人のお姉さんに嫌われたくないし・・・。
歩はただ立ちつくし、彼女の眼を見たままの状態で身動きできなくなってしまった。
「もしかして、あゆむくん?」
時間が止まってしまったかと思える空間に、やさしく彼女が言葉を出した。
歩は小さくうなづいた。
はぁ、と彼女の肩から力が抜けた。少し警戒していたようだ。
「ともこはもう行っちゃったわよ」
「・・・知ってます。見送ってきましたから。」
「そ、じゃあ上がんなさい。」
彼女は扉を大きく開いて抑えたまま手招きをした。
「え・・・、でも・・・」
「なあに?あたしに強引に引っ張ってほしいの?門の開け方は分かるでしょ、早くこっちに来なさい。」
歩は言われるまま門を開け、ゆっくり彼女に近づいた。
「どうぞお入りください。」
彼女はにっこりと歩を玄関に招き入れた。
玄関に入ると歩はいかに自分がずぶ濡れかを痛感した。
玄関が水浸しになり、体がずっしりと重い感じがする。
「じゃあ上がって。そのまま、まっすぐお風呂場へどうぞ。」
「え・・でも、」
「大丈夫、あとで拭いとくから」
「お・おじゃまします。」
歩はゆっくり靴を脱ぎ、なるべく廊下を濡らさないようにそおっとお風呂場に向かった。
「ちょっと待ってね。まだ服脱がないでね。」
彼女はお風呂場に入りお湯の温度を確認する。
「ちょうど良かったわ。あたしがさっき入ったところだからお風呂も沸いてるし。」
そうか、掃除をしてた恰好じゃなくて、お風呂あがりだったんだと歩は理解した。
「じゃあどうぞ、脱いだ服はこのかごに入れてね。お洗濯して乾燥機にかけるから、ポケットの中のものとかは、こっちに出しといて。着替えとタオルはここに用意するからゆっくり温まってね。シャンプーと石鹸も使っていいからきれいにするのよ。じゃ、あたしは一旦出ます。」
そう言ってお風呂場からそそくさと出て行ったのを見送って、歩は言われた通り服を脱ぎ体と頭を洗ってゆっくりとお風呂につかった。
「もう、入ってる?」
「あ、はい」
「まだ出てこないでね。着替えとタオルここに置いとくね。もうしわけないけど、男物のパンツは無いから、そのままズボンはいてもらえる?」
「はい。いろいろすいません。」
「じゃあ、あとでゆっくりお話ししましょ。よく温まってから出てくるのよ。お風呂の栓は抜かなくていいからね。」
言われた通り歩はゆっくりと温まった。他人の家のお風呂は何か不思議な感じがする。よく知っている女性がこのお風呂に毎日入っていた。今の女性はさっきまで入っていた。けど、性的な気持ちにはならず、みんな生きているんだという気持ちにさせられる。


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