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君が泣かないためならば
【女性向け 官能小説】

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「俺のキャリアなんか関係ない。
明日香が、重田さんを今でも愛してることは心の奥で分かってたよ」

なに・・・言ってんの・・・?

さっきまでの怒りのオーラを見事なまでに沈めて。
今は穏やかなオーラが啓を包んでいた。

「俺が明日香を幸せにできるなら、それが1番嬉しいけど。
明日香は今でも重田さんを愛してるんだろう?」
「啓!」

「いつも悲しそうに心で泣いていた明日香を俺は1年間も毎日見ていたんだ」
「啓?」


「明日香、明日香が泣かないためなら、俺はどんなことでもするよ」


「啓・・・」
「たとえ・・・それが明日香を手放すことだったとしても。
俺にとって重田さんが最低の男だとしても
明日香が重田さんといて幸せだと思うのなら、俺は何も言う事はない。
だから・・・もしこれで重田さんとやり直せるのなら
重田さんと幸せになれ。汚い事は俺が全部引き受けてやる。
明日香にはずっと幸せに笑ってて欲しいよ」

そう言って啓は静かに笑った。

辛そうな・・・苦しそうな
見たこともないような、そんな顔をして笑っていた。

誰よりも人の幸せを考える啓。
まさかこんな風に私のことを考えてくれるなんて・・・・




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