「あなたに毒林檎」-16
その時のおぞましい記憶は今でも残っていて、それから中学を卒業するまで先生という存在や大人の男に嫌悪したまま過ごしたのだった。今でも当時の先生達には不評をかっているかもしれない。
そんなトラウマが私の中にはずーっとあった……。
だが、今その時の様子を間近で見ながらおかしな感情が湧いて来ているのを感じていた……。なんだか身体がゾクゾクする……。
風邪のそれではない熱が身体の奥をくすぐり血を頭に登らせているようだ……。
恐怖でもなかった……。
もしあの時、奴に見つかり先生という立場や大人の力で押さえつけられていたとしたら……。言われるがまま奴隷のような関係を強要されていたかもしれない……。
心臓の鼓動は大きくなり耳に直接流れ込んで来た。
ドクン、ドクン、ドクン……
女は男にレイプされているように見えた。
女は私と大して変わらないくらいの女の子。その子の長い髪は裸のまま掴まれ床を引きずられている……。
やめてやめてと抵抗しているらしかったがその口には奇妙な道具が挿入されていた。
サルグツワの一種だろうか? 無数の穴の空いたプラスチック製のボールが両脇を革のベルトで繋がれたものだった。
女の口元からはドロドロと涎が流れていて、かなり悲惨な状況に見えたが肝心のその子の顔は長い髪が邪魔をして良く見えなかった。
多分表情は痛さと恐怖に歪み涙が目から溢れているに違いなかった……。
引きずられ罵られ足蹴にされて、這いつくばらせた女を無理やりバックから犯しているのだから……。男のバスローブには背中に大きく ”Hotel New Koshigaya” と印字されていてどうやらここはラブホだ。
暗い部屋で赤っぽいライトだけが天井に照り返り背徳のシーンというイメージがぴったりだった……。
ということは、これは合意の上での行為なのかも? こんな合意があるの? 虐待やドメスティックバイオレンスとも違うような気がした。テレビからはアダルト放送が流れている。
テレビの中でも女は男に黒革張りのラケット? でお尻をバシバシ叩かれ悲鳴をあげていた。テレビの音声と目の前で繰り広げられている状況は混ざりながら声が響きあっていて、どっちがどっちの声か聞いただけではわからなくなりそうだった……。
テレビの中の女は、今度は分娩室にあるような台に寝かされ手足を固定され始めた。男は女の開かれた股の間にしゃがみビニール製の細長い紐を通そうとしている……。何が始まる?? そのビニール紐はどうやらカテーテルで、それを膣? いや、尿道だ尿道に入れ込みもう片方をポリバケツに垂らした……。
これは排泄をさせたいが為の方法なのだろうか? さっきまで響いていたテレビの中の声は静まり、ただ無言で過ごす男と女。そのうちカテーテルのバケツに垂らされた端から黄色い液体がポタポタト落ちて来るのが見えた。
これってなに? 何が面白い? う〜ん、理解できない……。私ならお尻を素手で叩かれたいと思ったが、その瞬間自分の下腹部の奥がギュンってなった。
彼に叩かれるたび膣は締まり感じやすくなることを思い浮かべてしまったのだ……。えっちな電流はボルテージを上げ私の中を駆け巡った……。
目の前のリアルな女の子は髪がかき上げられきちんと顔を覗かせた……。
今度ははっきりと顔が見れた……。長い髪の中から現れたその女性は、、、、え? え? うそぉう……玲子だ!
相手の男は誰? 恋人と言うには不釣合いの中年男。彼女にはれっきとした恋人もいるし紹介されたので間違うはずはなかった……。
彼女がしている行為は何?
プロレスごっこでないということは明らかで、やくざのような組織に弱みを握られ性行為を強要されている?! 玲子は涙目になりながら猛烈に突かれる男の腰つきに合わせ、床の上に密着させた顔を振ったり上下させたりして喘いでいた……。
腰を深く落としお尻を高く上げている玲子……。結合部から見え隠れする男の肉棒は卑猥な音を立て挿入を繰り返している……。そのたびに玲子の性器からは蜜がかきだされ中年男のなすがまままだ……。
だが玲子はしっかりと感じている。いやいやを繰り返しているようにも見えたけど、口枷から垂らされる涎は欲情の証に思えてならなかった……。
そんな玲子の様を見ていると彼のことを思い出した。知人のSEXなど見るのも初めてで唖然としながらも自然と股間に手が伸びていて玲子のされる様を見ながら無意識にオナニーを始めている私がいた。私は、はかなくも濡らし鼻から抜けるような荒い息を漏らし始めていた……。