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愛すべき彼女と肉塊
【学園物 官能小説】

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Runa:「虚心坦壊(懐)」-2

「最低…。」

涙ぐむ勇樹は顔を伏せている。

私は勇樹の顔を掴んで無理矢理口にキスをする。

勇樹の震える唇と私の唇が触れて、体の奥がドクンと脈打つような気持ちになる。

「自分勝手なことばっかり言って。」

私は、そんな臆病者の唇に何度も自分の唇を重ねる。

「あんだけ、私の体のこと好きだって言ってたくせに。」

心臓の高鳴りを押さえつけて止めるように、勇樹の体を強く抱きしめる。

「陽ちゃんの所へ行ったら忘れちゃうんでしょ。」

何言ってるんだろう。

別に勇樹がどう思ってようと私には関係ないのに。

「忘れないよ。本当に瑠奈ちゃんの体は世界で一番好きだから。」

そう言って、潤んだ目で私に勇樹はキスをする。

そんな真っ直ぐな視線が私が嘘を吐いていることを問い質しているような気がして目を反らす。

きっと、勇樹がどう思っていようが関係ないなんてこと、嘘に決まってる。

「あのね…。」

私は少しだけ、勇樹と体を離す。

力の抜けた勇樹の右手首を握って、少しだけ私は心の内を吐露した。

「さっきの質問だけど…。私、オナニーはほとんど毎日していて…。」

私を女として扱ってくれる勇樹のことを想って…。

「勇樹みたいな、最低の変態男のことなんて考えたくもないのに、出てくるの。」

勇樹の握った手首をそのまま私の右の胸へと触れるように持っていく。

「だからっ…勇樹のこと、どう頑張っても…オナニーの時に考えずにはいられなくて…。」

勇樹のゴツゴツしてるのに指先は柔らかいこの感触が下着越しに体に伝わって、私は体が火照ってくる。

「いっつも…んっ…こうやって触れたり、はぁっ…エッチなことされてるとこ考えてしちゃう…のっ」

胸の疼きをどうにかしたくて、勇樹の手を強く胸に押し付ける。

温かくて大きな勇樹の手は、私が触らせているだけだったのに、少しずつ胸の表面に指を立てて揉むようになった。

勇樹は、興奮して息が上がっていた。

胸を触ってくる指先も力が入って少し痛い時が時々あるが、その痛みすら心地良く感じてしまうなんて、私の体をおかしくした責任はどこへ求められるのだろう。

鳥の求愛行動のように唇を触れたり重ね合っていたキスも、だんだん舌を絡めるようになり、お互いの舌を吸いこむように咥えこんだり、唾液を塗りつけるように、お互いの首や耳を舐めたりと、激しさを増す一方だった。

暑い…。体が火照ってきたせいか、微かに汗をかいている。

それに、今ならなんでもできる気がして、いつも脱がされている勇樹よりも先に、私は勇樹と舌を絡ませながら服を脱ぐ。

「いつも脱がせているけれど…。こうやって、脱いでる姿を眺めるのも素敵だよ、瑠奈。」

せっかく気分が乗っていたのに、そんなことを面と向かって言われると途端に脱ぐ気が失せる。

宿題をやろうとしていた時に、「まだ宿題をやっていないのか」問い詰められる子供の心理と似ている。

「服脱ぐ時くらい、黙っていられないの?」

私は、視線を合わせるのが恥ずかしくて、勇樹の視線と合わない左下ろへと視線を逃がしながらブラのホックを外す。

「その焦らす感じ。すごくいいな。」

好きだと思ったら、やっぱり。

私は右手でブラのホックを取り、胸を絞め付けていたブラジャーを取る。

胸の締め付けと一緒に、心臓の鼓動までもが拘束を解かれたような気分になって、私は思わず小さな溜め息が零れる。

抑え付けられていた、勇樹が愛してやまない肉の塊を左腕で押さえ、はだけたブラジャーで隠した。

それと同時に私はあることに気付いて自己嫌悪に陥る。

勇樹が好きな行為を私は頭の中でなんとなく分かってしまっているということ。

それだけならまだしも、その勇樹が喜びそうなことを自ら挑発するかのようにやってしまっている自分がいることに気付く。

「見せてあげないから。」

なんとなく、ただ勇樹の言いなりなるのが嫌で咄嗟にそういうことしか言えなくなって、いたたまれない気持ちを抱えたまま、気持ちが彷徨っている。

そんなそわそわしている自分が恥ずかしいのと、顔を合わせなくて済むこと、キスをして落ち着こうなんて、考えてしまう。

キスをする相手も勇樹。

性欲を持て余し彷徨っている自分も、必ず勇樹ただ一人へと収束されていくのだろう。

「んっ」

唇が触れて、恥ずかしいことを考えているせいなのか、体温が上がっていく感覚と同時に、下半身の奥が疼いていく、そんな気がしていた。


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