Runa:「虚心坦壊(懐)」-15
そんな特別な余韻は、陽ちゃん相手では得られなかった快楽であることは、認めざるを得なかった。
膣の肉壁とディルドのカリが引っかかって、喘ぎ声と震える声が混じりながら私は声を発する。
「はぁっ…勇樹だって…、すごい興奮してる…あんっ…んんっ…くせにい…私にだってそのぐらいわかってるんだから・・・あぁっ」
さっきの勇樹の荒っぽい口づけ。指を力強く立てて、私の腰を掴む指先の感覚。
勇樹は興奮してくると、それらの症状が顕著に表れる。
勇樹の貪る様な口づけの仕方に思わず、興奮が肌に感じてしまい、勇樹が気持ち良くなって欲しいな、なんて最近は少しだけ思ってしまったり。
すぐに乾燥してしまう、唇をしたで濡らしながら再び勇樹の股間に覆いかぶさるオナホールを握りしめて、上下に擦る。
「ふふっ…俺もすごい興奮してる瑠奈がどんなのか知ってるよ…?」
勇樹は私の腰を持ち上げるのをやめて、親指と人差し指で私の舌を掴む。
「んんーっ!」
私は、最初の内は何をされたのか分からなくて、声を出そうとしても上手く発話できなかった。
「瑠奈、気付いてる?瑠奈は気持ち良くなってくると、自分の唇をよくペロペロ舐めてたり、喘いでる時にちょっとだけ舌が出ちゃったりしてるんだよ?」
勇樹は私の舌を指で掴んだままで、そのまま私の舌を吸い取るように唇で啜りながら私の舌は勇樹に吸われてしまう。
「んんっ…らめれよぉ…」
勇樹は、私の舌を啜りながら勃起した乳首に指を人差し指と中指で挟みながら私の胸を揉みしだく。
「あんっ…!変に…なっちゃう…いやぁっ…」
「やっぱ、自覚なかったんだ〜。舌が出ちゃってる時の瑠奈の顔。めっちゃエロいよ。あれで何度も抜いたなぁ。」
じゃ、もしかして乾燥した唇を舐めているところも見られてたってこと…?
そんなつもりはなかったのに…。私はいつもああいうことを無意識にやってしまっているのだろうか。
「なんか、顔が蕩けちゃってて…ちょっとだけ嬉しそうなんだよね。写真に撮りたいなぁ。」
「撮っちゃだめっ!それに、嬉しくなんて…あんっ」
また勇樹が、乱暴な手付きで胸を触ってくる。
「ふ〜ん、じゃあ俺以外の男にこういうことされても、感じちゃうんだ?」
勇樹は鋭い目つきで私の瞳を覗き込む。
『勇樹はね、かなり独占欲が強いの。瑠奈は気に入られたわね。』
あの夏の日、陽ちゃんの部屋で私達3人が入り乱れた空間。
全ての行為が終わって帰る支度をしていた時に陽ちゃんは私にそう耳打ちした。
勇樹の興奮してくると見せるこういう少し乱暴な一面は、勇樹の独占欲の現れと、嫉妬なのかもしれない。
私の体を誰にも触らせたくなくて、私の体への有り余るほどの感情が、こうやって指先に滲み出ている、そんな気がした。
それはきっと、私もそうなのだろう。
性欲の強い女の人…私が誰にだって体を触って欲しいなんて、そんなこと思ってない。
男の人がそういう風に勘違いしていることは、多いけれど違う。
私はもっと、いっぱい肌と肌の触れ合いを感じて、色々な言葉を耳元で囁かれて…服を脱がせるだけじゃなくて…。
心まで、裸の自分にしてくれる人。
「いやっ…。」
そう、私の厭らしい部分を全て飲み干してくれる
「勇樹が良い。」
私は、心の中で思ったことを言葉に乗せて、勇樹を見る。
「やばい…。」
勇樹はそう言うと、今度はいつものように柔らかい口づけをする。
勇樹の唇は、小刻みに震えてまるで自分の大きすぎる衝動を抑制しているように感じる。
「今のすっごい嬉しいんだけど…。」
本当は私のことを、グチャグチャになるまで犯したい、肉の塊のように性の捌け口にしたい、そんな感情をずっと抑制してるのかもしれない
強大な性の感情が爆発しないように、何度も何度もそれをガス抜きするような、勇樹の震える唇のキス。
やっぱり、壊れてしまいそうな自分を壊れないように勇樹は保っている。
「気持ち良くなって…いっちゃえばいいよ。」
私は心の底からそんな勇樹に気持ち良くなって欲しくて、オナホールを小刻みに上下に擦る。
「瑠奈のこと、めちゃくちゃにしたいってずっと思ってた。はぁっ…だけど…本当に乱暴にめちゃくちゃしてたら、そんなこと言ってくれなかったかもね。」
勇樹は荒っぽい息遣いとは異なり、優しく私の腰を掴んでディルドと肉壁が擦り合わさって、声が漏れる。
「動かさないでぇっ…あんっ…いやんっ」
脳に染みこむ快楽に抗うように、勇樹のオナホールを擦るペースを上げていく。
「ダメだって、そんな早く動かしたら…出ちゃうから…はぁっ」
「あっ…んんっ…いっちゃっても…いいよ?」