Runa:「虚心坦壊(懐)」-13
私の表面に無機物の先端が当たってそのまま止まっていた私の体。
「いやぁっ…」
勇樹が腰を抱える腕の力を加えていくと、私の体の肉と肉の間をこじ開けていくように無機物が下半身にめり込んでいく。
体に異物が入り込むのを感じながら、私は勇樹の先端に沿えていたオナホールを指示通りに力を入れて同じように勇樹の肉棒に入れていく。
「うぅっ…」
勇樹の吐息が背中に伝わってくるのと、勇樹の私の腰を抱える腕が微かに震えているのを感じる。
「んんっ…ああぁっ…」
勇樹の腕の力はどんどん増していき、私の体は無機物の男性器を喰らっていく。
重なっていた肉が解されて裂けていくように。
勇樹が力を入れていても、ゆっくりだったおかげなのか痛いという感覚はなかった。
本来、女性器の中身は筒状になっていると思っていた。
作り物とはいえ、初めて異物を挿入されることに私の体は慣れていないせいか、ディルドの形状に体をこじ開けられていくような感覚だった。
自分の指や、勇樹の指や舌とはまた違う感覚。
そうして、私の体はとうとうその無機質なペニスを飲み込んでしまった。
勇樹のペニスにも、私の肉唇をイメージしたオナホールが全て入りきったようだった。
「んっはぁ…入っちゃったね、瑠奈。」
「あぁんっ…すごく変な…感じ…」
勇樹は腰を抱いた手を少しだけ解いて、腹部から押し上げるように私の胸を触る。
「2人でこうしていれば、なんか…っセックスしてるみたいじゃない…？かなり興奮するね。普通、この道具は男の人も、女の人も一人でオナニーするために使うものだから…こうやって使う事ないしね…。」
私が腰を掛けると、ちょうど勇樹の口が耳元の近くだったので、囁くようにして喋るような勇樹の言葉も鮮明に聞こえていた。
私の体は勇樹の汗ばんだ手に絡められていた。
下半身に異物が入り込んでいて、それを抜け出そうとしても抜けることができない。
勇樹の腕によって体が固定されてしまっているのはもちろんだが、錨のような形をしたディルドの先端部分が、抜け出そうとする私の体に引っかかる。
「んぁあっ…あんっ…んんっ」
「痛くない…？大丈夫？」
私の首元に舌を沿わせながら勇樹はそう尋ねる。
「痛くないけど…なんかもう、よくわかんないっ…あっ…」
勇樹の手が顎に触れる。
その手は少し強引に私の顔を横に向けさせる。
勇樹のことを見ようと視界の端で勇樹は私に顔を近づけてきて、キスをする。
「瑠奈、エロくて可愛いよ。」
勇樹はそう言って、何度もキスをしながら私の胸に手を触れる。
結局また、勇樹のペースになってしまっていた。
陽ちゃんの元へ戻る時間が刻一刻と近づいている中で、勇樹にせめて一矢報いてやろうと思っているのに。
いつもこうやって、勇樹に私の体の事を散々褒められて、挙句私も体を許してしまって快楽に抗う事ができなくなってしまう。
「くやしっ…」
勇樹のペニスを覆っている偽物の私の中を檸檬を搾るように、勇樹のペニスに押し付けて強く握りながら回したりする。
「んんー？どうしたの、瑠奈？」
そう言って、勇樹は私の背中にメスを入れていくみたいに、ゆっくりと舌を沿わせていく。
勇樹に背骨まで唾液を含みながら舐められているような感覚がして、思わずブルブルっと身震いをしてしまった。
「勇樹ばっかり…っ…私の恥ずかしいところ見てっ…あんっ…ずるいじゃん…」
喋ることすら自由に許さない、と言わんばかりに勇樹は体を弄るのをやめてくれない。
私が喋っている時でも、容赦なく快楽を刻み込んでくる。
「ふーん…それで…？」
「いやぁっ…あんんっやめっ…てえ…」
片方の耳を丸ごと勇樹の口の中に咥えられて、その中で言葉を話される。
舌の感触と直接脳の中に言葉を響かされているような感覚と、同時進行で乳首の先端を弄られて、勇樹の行為はエスカレートする一方だった。
「あっ…喋れないっ…お願いっ！少しだけ…んっ…止めてぇっ」
『仕方ないな…。』
頭の中にダイレクトで響くような感じで、勇樹は一言そう言うと、ディルドを抑えていた手を離して私の体を抱きしめる。
「あのね…。勇樹に体…弄られてばっかで…私…」
「うん。」
私の体を抱きしめながら、勇樹は何もせずに私の話に耳を傾ける。
「私だって…勇樹のこと…気持ち良くしたい…よ？」
勇樹に今は何もされていないのに、私の体に刺さっている無機質なディルドの辺りが締まるように体が疼く。
こんなに恥ずかしいこと、一昔前ならお願いされても言わなかった。
なのに…今の私は、自分から…。
「ふふふっ…。そんなこと言うなんて、今日の瑠奈は甘えたがり屋さんだね。」
すると勇樹は、今度は両手でディルドの根元を持っている。
「立って。」
と、勇樹は言った。