Runa:「虚心坦壊(懐)」-12
「そっか…。ありがと。」
そう言って、私達はお互いの体をただ抱きしめて長い時間キスをしていた。
一生分かと言う程の多い回数と唇を重ねている時間。
時間が止まったような感覚だった。
勇樹の体が離れた時にふと熱く滾るペニスが目に入る。
それは、さっきあれほどの種の基を出したとは思えないほどカウパーを滴らせ、石のように硬くなっていた。
「勇樹…また…。」
その再生力の速さに私は思わず息を飲む。
勇樹のそれは、一回果てるとしばらくは大人しいものだと思っていたのに。
今日の私達の間には、冷めやらぬ興奮があるように思えた。
それは、恐らく私も同じなのだろう。
「今日買ったもの、試したくなっちゃった。」
だから、勇樹がそう言った時、私にはその意味が分かったしそれを拒む気にもなれなかった。
これから始まることが、私を満たしてくれると期待を抱く。
下半身に熱が籠ってくるのを感じて、勇樹が買った荷物の中身を鞄から取り出そうとしている時に、太ももを擦り合わせてしまう。
「これ、興奮するなぁ」
勇樹はベッドの上で買ってきた偽物の私達を広げる。
私の体に入ってくるであろう、勇樹を模ったそれは蛍光色のピンク色をしていて少し毒々しい外見をしていた。
私の中を模ったそれは、肌の色とほぼ同じ色をしていて筒状になっていて、正直どんなものなのかは、見ただけでは分からない。
「んー…」
勇樹は何やら考え事をしている様子。
「これ、ベッドの上じゃ安定しないね。」
勇樹はそう言って、ベッドの横にある背もたれの長めの椅子をこちらへ持ってくる。
その足で勇樹はタンスからタオルを取り出して椅子に敷くと、その上に腰を掛ける。
「さ、おいで。」
勇樹は下半身の肉棒を滾らせながら、私を迎え入れるように両手を広げる。
私はどうすればいいのだろうか、と疑問に思いながらもベッドから身体を起こして勇樹の傍へと近寄る。
「きゃっ」
傍に寄ってきた私を勇樹は強引に抱き寄せ、向い合わせになるような状態で私は勇樹に抱かれる。
「はぁー、瑠奈の体は柔らかいなぁ。」
「…私は陽ちゃんより太ってるし。」
自分の贅肉の多さを陽ちゃんの体と比べてしまい、勇樹の体に密着しないようにする。
「陽は関係ないよ。抱き心地は瑠奈の方が全然上だし。」
勇樹はそう言って鼻を擦りつけるように私の鎖骨や肩の辺りに顔を埋める。
私の体を更に密着させようとして、仰け反るようになりながら勇樹は私の肌の中で甘えていた。
「どうしよっかなぁ。最初は、後ろから行こうかなぁ…?」
「何の話…?」
勇樹は腕を解いて私を解放すると、自分のペニスの目の前に毒々しいピンクのディルドを並べるようにして置いた。
机の上に予め容易してあった無色のローションのチューブの蓋を開けて、ピンクの作り物の肉棒の上に垂らしていく。
「よく、濡らしておかないとね。」
それは、ガムシロップと同じくらいの粘り気で先端から根元まで垂れて行き、椅子の上に敷いたタオルに染みこんでいく。
勇樹はその次に、筒状の膣を模ったオナホールの中に直接ローションを流し込む。
「準備完了。はい、瑠奈はこれを持って。」
とそのままローションの入ったオナホールを受け取る。
オナホールというものを初めて見る。
表面は本物と似せるように女性の表面が再現されていて、下の方に小さな穴が開いていて、その中にローションが溢れない程度に入っているようだった。
「抑えててあげるから、後ろを向いたまま俺の手前に座るようにして。それで、ディルドを入れながら持ってるオナホールを俺のちんこに被せるようにいれて?」
そう指示する勇樹のペニスの手前に置いてあるピンクのディルドと本物を見比べてしまう。
「ちゃんと教えるから、そのまま俺の手前に腰を落としてきて。」
言われた通り、私は少しずつどちらかの性器が当たる直前まで、腰を落としていく。
「っ…。」
すると、私の熱を帯びている肉唇に無機物の先端が当たるのが脳に伝わってくる。
「もう少しだね、そしたら…手に持ってるそれを俺のここに入れてくれる?」
勇樹はそう言って、自分の硬いものを指差す。
左手に持っていたオナホールから、ローションを溢さないように少しずつペニスに近づくにつれて横に傾けていく。
「これで…あってる?」
「うん、合ってるよ。じゃあ、それを俺の先っぽに少しだけ入れて?」
オナホールの入口と、勇樹の先端が噛み合うように少しだけ押し付ける。
「っ…ストップ。じゃあ、一緒にやろ。瑠奈はそのまま、ディルドが入っていくのと一緒に、俺のちんこにオナホールを入れていって。抑えてるから、痛くないようにそっといれていこうね…?」
勇樹は左手でディルドの根元を抑えると私の腰を右手で抱きかかえて、姿勢を固定する。
「じゃあ瑠奈。入れるよ?ゆっくりでいいからね。」