再び、青森へ…-11
晴れ晴れとした朝、私たちは気持ちの良く学校へ向かう。
「いやー、昨日は楽しかったねぇー。」
「ほんと。」
大好きな人と楽しいひと時を過ごしただけではなく、憎み合って人たちが仲良くし私も
少し嫌だった先輩と仲良く出来て。
「佐伯君と電話番号やアドレス交換しちゃった。」
「はぁはぁ。」
「……これでお互いに話し合えるね、後さ巴ちゃんちょっとうるさい。」
想い悩む事はもうほとんどなく後は大好きな彼と幸せに過ごすだけ、お互い和解し合い
明るい未来しか想像出来ない。
佐伯君と付き合うと先輩や巴ちゃんが傷ついた、佐伯君が私と付き合うと風馬君が傷ついていた。私はその事実を忘れて居た、それならば風馬君だって…。
門に着くとそこにはパトカーが一台止まっていた、そして強面の警察官が私たちを見るや
ズカズカとやって来て。
「なっ、何っ!?」
その警察官二人組は私でも巴ちゃんの方を行くでもなく。
「君が小鳥遊風馬かっ!?」
「え……そう、ですけど。」
何、なんなの?
幸せで平和だった空気が一気に情け容赦なく暗雲立ち込め出し。
するとその警察官はそのまま彼に冷たい手錠をかける。
「えっ!?」
一同目を丸くする、全身青ざめだし。
「あ、あのちょっ!」
「小鳥遊風馬っ!君を殺人未遂の疑いで逮捕するっ!」
「っ!!」
逮捕っ!?風馬君がっ!
あまりに突然の出来事に間髪入れず、彼はそのままパトカーに乱暴に連行されて。
「ちょっと!何なのよ突然っ!」
「邪魔だ!」
「きゃっ!」
「巴ちゃん!」
そんな警察官にくって掛かるもプロの腕によってあっけなく降り飛ばされ。
「風馬君っ!風馬君っ!」
彼が乗せられたパトカーを追うも、追いつける筈もなく、彼も必死に振り向くも警察官によって乱暴に頭を押さえられ。
「うっうう。」
突然犯罪被害に遭う人もこんな気分なのだろうか、何が起きたのか理解が追い付かず。
クラスメートもざわざわと何事かと集まりだして。
私は巴ちゃんに起こしてもらい何とか立ち上がる、すると沢山の野次馬の中から身に覚えのある顔があった。
「稲葉、さん?」
その顔は今までに見た事もないくらい人間とは思えないくらい憎しみと嫉妬に憑りつかれたように泣きじゃくる私を見て嘲笑う。
殺人未遂って、まさか…。
そう私はすっかり忘れて居た、風馬君と付き合うという事がどういう事なのかを…。
次回、34話に続く。