その2-5
家に帰って、ランドセルを床に転がし、自室でゲームをする優。
その日はすぐにゲームオーバーになってしまい、全く上手くいかない。
初めて1時間もせずに、優はコントローラーを床に置いた。
ベッドに横たわり、天井を見る。
「やっぱり僕は変なのかな。いけない事をしているのかな…」
しかし、小学生の少年に、答えが出るわけでもなかった。
「優ー?おやつ買って来たけど、食べるー?」
リビングから母親の声がした。
「うん。」
「あんまりお腹減ってなかった?」
せっかく買ってきたチーズケーキが、珍しく減りが遅い。
優の好物なのだが、やはり上の空のようだ。
優はフォークを置いた。