その2-4
北川瑠衣
彼は小さい時から自分は女の子だと思っていた。
両親は男の子に育てようと必死だったが、それに逆らうように、彼は女の子に向かっていった。
小学校に上がる際、とうとう両親は折れ、小学校には女の子として通わせようと、学校側とも協議し、女子として認められた。
そんな彼女は当たり前のように女の子の服を着、髪を伸ばし、もちろん下着も女の子用だ。
声も今の所低くはなっていない、外見からは男の子には見えない。
「とにかく、やめて本当。」
それだけ言い残して瑠衣は去っていった。
「優、どうした?今の奴知り合い?」
「う、ううん、違う…」
「そう、さあ、帰ろう?」
その日、優は1日浮かない顔をしていた。