どっちが好き ?-6
SEX が終わると2人はベッドの上で
お喋りをしていた。
退室の時間になり、ホテルを出る。
外に出ると辺りはもう暗くなっていた。
雨は降っていなかったが、
寒かった。
ちづるは思わず
コートの襟を首に寄せ、
ブルっと震えた。
タクミがそんなちづるを見て
手を差しのべて言う。
「お手。」
「 ? 手?」
「ぁ、ふふっ、、
間違えちゃったーー
手、繋ごう?」
「、? 、、うん。」
二人は手を繋いだ。
しばらく黙々と歩く。
タクミの手は、暖かかった。
ちづるはタクミの手が気持ちいいのは
温度があるからかなぁ?
とぼんやり考えていた。
タクミがふと、口を開く。
「どーだった?」
「 ぇ?」
「お外のデート。
1日の終わりにーー
感想、聞かせて ?」
「ぁ、、 ぅん。」
「楽しめた?」
「ん、、うん。
楽しかったよ。
パスタ、美味しかったね。
、 、、でも、、」
「ん?」
「お家のが、、
落ち着く。」
「あは、、 確かに。」
「タクミ君は?
どうだった?」
「んーー、、うん。
楽しかったよ。
ちづちゃん、髪形とか
可愛かったしーー。
でも、 、、」
「ん?」
「今度お外のデートする時あったら
もっと、遠くに行こーね。」
「っふふ、っ、 、
知り合いに、沢山会ったから
疲れたでしょう?」
「まーーねーー。」
「お母さん、、
カッコいい人だったなぁ。」
「えーー? そう?」
「うん。
、 、、なんか、ちょっと
罪悪感あるけど。 」
「え? 」
「お母さんに、、。」
「なんでよ。」
「大事な、、、息子さんを、、
なんか、本当、
すみません って思ってる。」
タクミはそれを聞くと面白そうに
ははっと笑う。
タクミが言う。
「俺は、ちづちゃんの知らない部分を
知った気がしたよ。」
「 ぇ? 、、ぁ、年齢とか?」
「うん。それもあるし、、
色々。」
「 ?
、、そっ か。
私もタクミ君の事、今日1日で
知った気がする。
高校も、知らなかったし。」
「そっか。」
「なんか、、半年も一緒に、
過ごしてたのに、、ね。
変な感じ だね。」
「まぁ、
ちづちゃんエッチだからねー。
少しは興味持ってくれた?」
「 ぇ?」
「俺に、、。」
「ふふっ、なぁに?それ、、。
最初から、ちゃんと持ってるよ?」
「、、、。
そぉーーおーー? ふふっ、、」
「 ? 、、うん。」
そんな事を話していると、
市営住宅に着いた。
階段を上がるとちづるが言う。
「あ、こっち、来る?
夕飯食べる?」
「っ、んーーー、、
いいや。
ちづちゃん、疲れたでしょ?
今日は帰るよ。」
「 そっ か。
じゃあ、、、
おやすみなさい。」
「うん。」
ちづるはバッグから家の鍵を取り出し、
鍵穴に差し込んだ。
ドアを開けようとした瞬間、
その手をタクミに掴まれた。
驚いてタクミを見る。
タクミはニコっと笑い、こう言った。
「ちゃんと、聞かせてよ?」
「っ、 ? 何を?」
「返事。」
「 ぇ? 」
ぇ ?
返事 って、 、、
「結婚してくれるかどーかの返事ー。
待ってるね。」
タクミはそう言うと、
ちづるにキスをした。
キスが終わると「おやすみ。」
と言い、家に入った。
ちづるはしばらく呆然と立ち尽くす。
ハッとして、家の中に入る。
玄関のフローリングに、ストンと
腰が抜けたようにお尻が落ち、座る。
靴も脱がずに、また呆然とする。
嘘 でしょ ?
え?
結婚 ?
タクミ君は 一体、
何を考えているの?
14才 だよ ?
私達の 年の差
ってゆーか
18才って
結婚出来るっけ?
ちづるはスマホをバッグから
取り出し、男が結婚出来る年齢を
調べようとする。
しかしハッとする。
いやいや、 ! !
違うでしょ!!
問題は そこじゃない っ!
年齢じゃ なくて
返事 ? ??
返事!?? ?
いや 違う !
真に受けちゃ 駄目 っ
なんか もう
分からなく なっちゃった
あれ かな、 、、
タクミ君 若いし
18才 だもんね
ちょっと気持ちが高ぶって
言葉にしちゃった
って
だけだよ きっと
だから、 、 、
「、 、、うん。
きっと、 違う、、 。」
ちづるはポツリと独り言を言う。
それから、
メイクを落としたり、
軽食を食べたりした。
しかし頭の中はタクミの事で
いっぱいで、食後のコーヒーには
砂糖と塩を間違えて入れた。
塩入のコーヒーを口に入れた瞬間、
ちづるは驚いてゴホゴホとムセた。