夢の中で逢った、ような……-2
「今朝は皆さんに大切なお話が御座いますっ! 皆さんは…… 」
今年四十?歳の早乙女和子校長は穏やかな人柄で知られているが、時折意味不明な訓示を長々と繰り返す。僕の母詢子と親友で優秀な人間らしいが、今だ独身を貫いている。
「はい、あとそれから、今日は皆さんに新任の先生をご紹介致します。それでは暁美先生、どうぞ…… 」
校長は定例の訓示を終えると、何の前触れも無く唐突に話題を切り替える。
「暁美ほむらです。私はここ美滝原中学の卒業生で…… 」
新任の女教師は事務的に淡々と自己紹介を始めるが、その容姿に男子生徒は元より一部女生徒から熱い視線を集める。
「おいっ タツヤ、すげぇ美人だな」
隣に立つ中沢が小声で囁きかける。
(あれは!?)
しかし僕の意識は、全く別次元にあった。
それは遠い昔に逢った、そして夢の中に現れる、姉の友人と想われる黒髪の少女の面影を残す…… 女性だったからだ。
To be continued ・・・・・・?