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離婚夫婦
【熟女/人妻 官能小説】

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不倫の果て-2

 望未とは24歳で結婚した。2つ年上の姉さん女房で、決して美人ではないが、可憐な可愛さがありスタイルも良く、豊川には自慢の嫁だった。
 会社関係の家族イベントなどに同席させると、細かな気遣いなどがごく自然に出せる如才は、会社内でも評判で、同僚たちからも羨ましがられることもあった。
 嫁、姑の関係も、同居では無かったことから、特に諍い事があったわけでもなく、家族関係は良好だった。
 菜緒が生まれてからは、時々『もう少し遊んであげて』と催促されることはあっても、それが夫婦間にダメージを与えるレベルには程遠く、離散の影など全くなかった。
 しかし、豊川の転勤、単身赴任を機に関係は徐々に悪くなっていった。悪くなったというよりか、お互いへの関心が薄くなったと言った方が的を得ているだろうか。
 そのタイミングで、お互いに新たなパートナー関係を築く異性が現れた。共に年下の恋人で、次第に会う時間も増えていき、家庭でのコミュニケーションはほぼ無くなっていった。無論、夜の生活など離婚前2年間は1度も無く、手に触れることも皆無といった関係にまで冷え込んでいた。
 かと言って、双方とも離婚を望んでいたわけではない。互いに相手からは結婚を意識させるような言葉がチラついてはいたが、積極的に離婚に向かってはいなかった。恋人がいると薄々感づいている生活ではあったが、どちらからもその事実を確かめたり、突きつけたりすることもなかった。疑念は疑念のままでいるのが得策だと互いに思っていたからだろう。

 しかし、それは疑念ではなく、真実として直面することになってしまった。望未の恋人については、娘の友人の父親からの情報だった。その父親は非常に真面目な人間で、たまたま望未とその男性が仲良さげに歩いているのを目撃してしまったらしく、迷いに迷った挙句、豊川に教えてくれたのだった。
 興味が無くなっていた妻ながら、さすがに気になり、真実を確かめるために、わざわざ有休まで取って現場を確認しに行った。
 その情報はやはり本当だった。自宅のある街から電車で約1時間離れた大きな街で望未を見つけた。自宅からは距離があるという安心感からか、見た感じ一回り以上は離れていようかという若い男にしなだれかかるように腕を絡めていた。
 自分たちの付き合い初めにも見せたことの無いベタベタ具合に、嫉妬したことを憶えている。
 若い男の猛り狂った男根で、秘汁溢れる蜜壺を突き上げられ、自分には見せたことの無い歓喜の表情と、狂ったような嗚咽をあげている姿を妄想すると、メラメラと嫉妬の炎が燃え上がった。
 その晩、自分の愛人にいつも以上の欲望をぶつけた。恥ずかしながら妻の不倫に対する妬きもちであった。

 それでも豊川家の家庭生活は平穏だった。真実を突き止めた豊川だったが、それ以上は詮索しなかった。自分にも愛人はいるし、このままの状態で続くことが一番無難だからだ。わざわざ波風を立てることは無い。
 しかし、その恋人が休日いきなり自宅付近にやってきたのだ。恐らくは望未に対するアピールもあったのだろう。もしくは、離婚に拍車をかけるために仕組んだ演出だったのかもしれない。
 しつこい呼び出しに痺れを切らして出て行った先で、運悪く望未と鉢合わせしてしまったのだ。

「どういうこと?」
 その場では平静に素通りしていった望未だったが、帰宅後すぐに問い詰められた。望未も疑念は持っていたに違いない。が、豊川同様、見掛け上平穏な状態をわざわざ壊すことはないと思っていたのだろう。それまでは一言も口にする事は無かったのだが、実際の現場を見てしまうと、妻としてのプライドからか口に出さずにはいられなかったのだろう、激しい叱責が続いた。
 豊川も、望未の現場は押さえていたし、夫婦関係も冷えていたことから、わざわざ言い訳することもせず、愛人であることをすんなり告げた。
「お前にだって若い男がいるんだろ。俺もそのくらいは知ってるんだぜ」
 そして、逆に突きつけた。
 まさに売り言葉に買い言葉だった。と、同時に望未の顔が硬直したのがわかった。
 それまでは興味は無くとも、お互いに悪くは思っていなかったはずが、その瞬間一気に憎悪に変わった。どちらかが悪いのではない。互いに不倫をしていたのだから、両方とも悪いのだ。それでも一度火が着いた感情同士は、負のスパイラルを加速させる一方だった。翌月には別居が始まり、半年後には離婚届を提出した。
 養育費やその他の事を含め協議できる最低限のことだけを取りまとめとめて判を押した。冷静になって思い起こすと、熟考しての離婚ではなく、感情だけに任せた離婚だった。特に娘の菜緒のことは深く考えず、お互いのハイテンションな憎悪感情だけがぶつかった最悪の結果だと思っている。
 そうならないよう冷静に考えることを伝えたかったのだ。

「新しい彼女とは結婚しないんですか?」
 最近の若い奴はズバズバと遠慮なしに聞いてくる。
「そう簡単なもんじゃないよ」
 結婚するのはそう難しい問題じゃなかったかもしれない。少なからず彼女には結婚の意思があったし、だからこそ自宅近くまでノコノコと確信犯的に姿を現したのだろう。
 それでも自分の中で菜緒のことを思うと、決断は出来なかった。母親以外の女と結婚すると、菜緒との糸まで切れてしまうんじゃないかと心のどこかで思っていたからだ。

 結局、当時の愛人とはその後1年も続かず別れている。以降、ちょこちょこと恋人は出来たがいずれも長続きせず、ここ2年は完全にフリーでいた。
 溜まった性欲は、デリヘルで処理している。時折、気のいいデリヘル嬢に当たると、その場で本番交渉をしてみた。だいたいの嬢は、二つ返事でOKをしてくれる。その分金は掛かるが、付き合うとなればもっと金が掛かることを思えば、後腐れもなく都合は良い。
 そんな生活が続いていた。


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