立ち込める暗雲-4
私と彼に水を差す出来事はこれだけに収まらなかった。
翌日、遠足行事の買い出しを行う私達、その私達…と言うのは二人ペアで行動を共にする
と言う事、石炭やお肉に野菜を持つ私、そしてその横でコンロの箱を持っているのが皮肉な事にかつて私にしつこく言い寄ってきた幼馴染の彼、風馬君。
「……議長、カッコ良かったよ。」
「え、うん…ありがとう。」
状況が状況だけに言ってる事が支離滅裂、彼自身も私とペアを組む事になるとは夢にも思ってなかったそうで…。
「最近、どう?」
「どうって、普通だよ。」
周りは賑やかなのに何処か重たい空気。
「アイツ、青森に行ったんだって?」
「っ!…そ、そうだけど…でもしょっちゅう電話してるよ、メールだって。」
あからさまな嘘、まるでその先に「だから私達今でも付き合ってるから、無駄だよ」と言ってるみたいに。
「そういや最近部活、美術部はどう?彼女と上手くやってる?」
「若葉ちゃん!」
「!なっ、何?」
「もし…苦しくなったら、いつでも僕の所においで…。」
えっ…、一体何を言って。
「あっ、そろそろ時間だ、ほら行こう!」
「待って!」
彼の意味深な一言に私はもどかしさと、少なからずとも良い事は言ってない事に軽い不快感を感じ、今はただ学校に急いで戻る彼の背中に視線を置くだけだった。