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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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さよなら、愛しい人…-2

「いやー、料理って難しいなぁー。」

それから買い出しが終わり、約束通リ彼女から料理の教授をしてもらい、彼女が帰ってからもう一度チャレンジしたみたものの、案の定失敗し、グチャグチャの黒焦げに…。料理はレシピさえ読めば後は簡単に出来ると思ったけどそうじゃないんだな、この失敗で思い知った…。

やも得ず捨てる事にした失敗作、今までなら勿体ないからって無理して食べてたけど、彼女がそれは駄目だって。

それから食器を洗いつつあの事を思い出す。

「青森へ行って下さい…。」

くどいようだが、果たしてそれが正しいのだろうか…、青森、つまり兄貴と一之瀬さんの居る所へ行ったら、彼女と別れなくちゃいけないんだぞ?無論メールやたまに遊びに行けばいいだけの事なのだろうけど。

俺が居なくなったら君、俺と会えないんだぞ?…何より俺が君に会えなくて寂しい…。

彼女の事だ、俺があの寂しい貧しい家で惨めな思いをするのが気掛かりなのだろう、けど
それだって君が今日みたいに買い出しをしてくれて、掃除だって…、あの親父だって今日も帰ってこないけど、また酒飲んで酔っ払って街を徘徊してるか、若しくは…、兎に角心配はまだ残ってるだろうけど、だいぶにラクになってるし、君と別れる程では。

この前連とラーメン喰いに行った時、アイツが言ってたな、青森の兄貴について。確かに
柊さんと行った青森で兄貴と再会した時はとても安心感を覚えた、家に帰る時の寂しさを
感じずに居られるし、何より何処の家庭と同じようになれる事がとても嬉しいし、幸福にも思える。

「……。」

ひょっとして、柊さんはそこで俺が幸せそうに見えて、それで…。

なら、俺は…俺は。





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