−玲奈、崩壊 その13−-1
_ 帰りの電車は人影がまばらだった。玲奈は電車に揺られながら帰途に付いていた。彼女の横に、男が並んで立った。
_ 玲奈は、男の顔を見上げてはっとした。辰己だった。玲奈はとっさに小声で言った。
「駄目です、ここじゃ。こんな所じゃ。」
_ なにもされない内から、辰己に犯されることを予期したのか、玲奈は一方的にそういった。
_ 僅かに残った理性が、電車の中という公の場での淫行を拒んだが、辰己が玲奈の胸元に、舐め回すような熱視線を送っていると、頬には徐々に赤みがさして行き、息遣いも少しずつ荒くなって行き、いつしかうっとりとした潤んだ瞳で、辰己を見上げるようになった。
_ まさに瞬間湯沸かし器のように、視漢するだけで性欲に火をつけ、わずかに残った理性を葬る事が出来た。
_ なおも辰己が、濃紺のブレザーと純白のブラウスに包まれた、制服姿の玲奈の、大きくはないが確かな胸の膨らみを凝視し続けていると、玲奈は両腕で2つの乳房を寄せ合わせて谷間を作って見せ、伺うような、誘うような上目づかいで辰己を見返した。
_ 数分前「駄目です」と言った玲奈が、この時には誘惑しているといっていい仕草を見せていた。そんな玲奈に辰己が言った。
「パンツ見せて。」
_ 玲奈は周囲を見回した。破廉恥な姿を他人に見られたくないという理性はかろうじて残っていた。だが、誰もこちらを見ていない事を確かめると、玲奈はためらいもなくスカートの裾を持ち上げた。それで露わになった玲奈の下着を鑑賞しつつ辰己が、
「オナニーしてみて」
と言うと、玲奈はパンツの上から、自らの割れ目を指先でなぞった。
「っんはっ」
と押し殺した喘ぎが漏れた。