記憶の中の男A-1
『純粋な男』
バイト先の先輩の紹介で知り合った男、アッチャン。
年上なのに子供っぽい顔つきで子供っぽい仕草、行動。
逢ったその日に惹かれた。それから頻繁に逢うようになった。二人でDVD見たり、ご飯食べたり。キスはしてたけどえっちはしなかった。アッチャンは好きな女しか抱かないらしい。
「じゃあうちのこと好きじゃないんだなぁ…」
っていつも想ってた。
ある日の深夜、公園で喋っていたらアッチャンが
「付き合おっか」
って言ってくれた。純粋にうれしかった。その日、アッチャンとえっちしなかった。次の日もその次の日も…。
アッチャンは好きな女しか抱かないんじゃない、抱けないらしい。勃たないんだって。アッチャンがえっちしようとしても出来ない。
「あー、愛されてないんだなぁ」
そんな日が何日か続いたある日、出来ないアッチャンはうちに言った。
「俺はかまわないから他の男としてもいんだよ?」
仰天発言。
「えっちしたいから一緒にいるわけじゃない!」
そぅ言ったら優しく抱きしめてくれた。
「ごめんね…」
って。
それから何日かして、初めてえっちできた。うれしかった。好きになってくれたんだと想った。それからはずっと幸せだった。逢うたびに好きな気持ちが大きくなったし、えっちする度に愛されていると実感してた。
11月初め。
「別れよう」
泣いた。ただひたすら泣いた。一週間位前から別れを考えてたんだって。3日前にえっちしたのに。もぅアッチャンは好きじゃない女も抱ける。そぅさせたのはどうやらうちのようだ。