−玲奈、陥落 その４−-1
_ 辰己の指が割れ目をなぞる時、玲奈が分泌していた愛液は、抜群の潤滑作用を発揮した。ぬるぬると滑る辰己の指先は、更なる刺激を玲奈にもたらし、恥ずかしさに唇を噛みしめていた口元が、だらしなくぽっかりと開かれ、
「くうっ、くっ、うぅぅ。」
とくぐもっていた声は、
「はあぁっ、ああっ、あはあっ。」
という明瞭な喘ぎ声に昇級した。
_ 何度も割れ目をなぞって往復していた辰己の指先が、玲奈のヴァギナに突入した。百戦錬磨のその指先は、瞬時に玲奈のスウィートスポットを探り当て、絶妙な曲げ伸ばしで刺激した。
_ 割れ目をなぞっていたときは二次元的だった辰己の指の運動は、タテ・ヨコ・前後へと三次元的な動きに変異し、その動きはヴァギナに満たされていた愛液を巻き込んで、クチュクチュという音を立て、津波の如き快感を玲奈にもたらした。
_ その、下の口からたてられる音を上回る音量で、上の口からも喘ぎ声がもれ、
クチュクチュ、ニチャニチャ
という音と
「あっ、はああっ」
という喘ぎ声が絡み合って、辰己の耳を愉しませた。
_ 時には素早く激しく、時にはゆっくりねっとりと、辰己は指の動きに変化を加え、玲奈の興奮と快感をさらなる高みへと押し上げて行った。
_ そして遂に、その時が近づいて来た。玲奈は、全く未知の経験であるにもかかわらず、それが近づくのを感じていた。
_ 興奮と快感が高まった先に、玲奈の何かを破壊するようなものが、爆発のような、噴火のようなものが訪れる事を感じ取っていた。
_ 玲奈は、産まれて初めての絶頂を迎えようとしていた。
_ 玲奈はそれを恐れた。その爆発によって、噴火によって、自分はどうなってしまうのか、いかなる恥ずかしい様を見知らぬ男の眼前で見せてしまうのか、という恐怖が湧き上がって来た。
_ だから玲奈は、それまでは何の抵抗も無く、拒絶の言葉を吐くだけで、されるがままにヴァギナを触らせていた玲奈は、その時になって突然、
「いやっ、だめっ、もうだめぇっ」
と鋭く鬼気迫る声色で叫び、割れ目を責めている辰己の右腕を自分の右手で掴んだ。
_ 辰己を見つめ返した目にも、強い哀願の色があった。
_ 絶頂への恐怖と恥じらいで、これまでで一番の抵抗を試みたのであるが、それでも尻を突き出した姿勢を変える事は出来ず、そのカラダが快感に屈服している事実が、再度露呈された。
_ 辰己の腕を掴んだ手の力も、辰己の指さばきひとつで無効化された。辰己の指先が与えた強めの刺激と快感で、あっさりと脱力させられた。
_ そして、そんな玲奈の様は、かえって辰己の意欲を高揚させただけだった。
_ 必死で踏ん張るように、絶頂に至る事をこらえた玲奈だったが、辰己は無情に、ぐいぐいと押しやるかのように、指先に気迫を込めた。
_ 玲奈の必死の抵抗は敢え無く崩れ去り、そのカラダは未知の領域に突入させられた。
_ 玲奈はイッた。