真夜中の逢瀬-7
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「……水…」
まるで砂漠に埋もれた民のように小さく呟いた…
閉め切った窓から微かに光りが射し込む。
うつ伏せの躰にまとわりつくように抱き付いている大きな腕──
背中から抱き込むようにして眠っている高槻の腕をほどくとあたしはラブホテルの冷蔵庫を漁った。
どうせ高槻の払いだ。
そう思いながらミネラルとスポーツドリンクを取って二本を豪快にがぶ飲みする。
「ゲプっ…」
無意識な空気の塊が胃から追い出された──
「ぷっ…お前サイテー…女じゃねー…」
目を覚ましていたらしい高槻が笑いながら伸びをして目を擦る。
「俺にもくれ」
シーツに潜り込みながらそう言った高槻にあたしはショコララテなるジュースを渡した。
「寝起きにこれはキツいだろ?」
「文句言うなら自分で取れ」
「冷たいやつだな」
なんとなく拗ねた口調で言うと高槻は自分で冷蔵庫を開けた。
あたしはベットに座り込む。
あれだけ飲んだのに二日酔いしない自分にカンドーする。
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水分を充分に蓄えたあたしは素っ裸で取り合えずボーッとした。
夏希ちゃんになんて言おう──
てか…
言うべきなんだろうか──
「………」
隠し通すのが妥当だよね?
わざわざ言っても傷つけるだけだ──
「うげ!?コーンポタージュとしるこしかないっ…相変わらずなセンスしてんなここはっ?──」
ここは高校の時に二人で使ってたお馴染みのラブホだ。
冷蔵庫のストック飲料が嫌がらせかと笑えるってのが話題の懐かしいラブホテル…
高槻は傍にきてあたしの飲み残しのスポーツドリンクを飲み干した。
「何考えてんだ?」
ベットに腰掛けて黙ったままのあたしを覗き込む。
まだ、大学でバスケをしているのだろうか?目の前の高槻の体はガッチリと鍛えられた肉体美だ──
「エッチ」
「バカじゃない?」
躰をくねらせて庇う高槻に一言言うとあたしはそのままベットに横にパタリと倒れた。
高槻はそのまま上に乗ってくる。
若いなりの朝の猛りだろうか──
横になったあたしの背中に密着すると硬くなった異物をお尻に擦り付けながら高槻は背中にキスをした。