愛情の裏返し(前編)-3
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「なっ…」
「黙ってて……──」
ベットに押し倒して有無を言わさず口を手で塞ぐ。手頃な紐はないかと見回したらベット近くのハンガースタンドにスカーフが数本掛けられてた。
俺がたまに悪戯で首にキスマークを付けた時のそれを隠すアイテムだ。
「晶さんさすが、気が利くね…」
口を塞いだまま耳元でボソリと囁く。
目を見開いた晶さんの手を縛りそのままベットヘッドにくくりつけると晶さんが俺に唾を吐いた。
「──…っ…」
「そんな気分じゃない!今すぐやめてっ」
「…あれ?もしかして真剣に怒ってる?」
「怒ってるっ」
「そ?でもやめないよ?晶さん俺の言うこと聞かないじゃん、だから俺も聞かない…」
「……っ…」
そう言って頬に吹き掛けられた唾を拭いそれを舐めて見せた。
なんかえっ、て顔してる晶さんに笑って返す──
「晶さんばかだね?──風呂に入ってもない晶さんの躰舐めるの好きな俺が唾なんか吐かれたって引くわけないじゃん…」
急に赤い顔をする晶さんの顔を覗き込み、頬を両手で挟んだ。
「ちょっとうるさいから塞ぐね」
そう言って吸い付くような短いキスをして晶さんの唇にスカーフで枷をした。
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ほんと毎回興奮させてくれる──
強気な晶さんの瞳が俺はすごく好きだ。
睨まれてるのにゾクゾクするのは俺が変態だって証拠か?
ただ そこに思う感情は
この生意気な可愛い人を犯したい──
そんな単純な欲望だけだった。
「ねえ晶さん、俺…今日思ったんだけど…」
言いながら晶さんのシャツをゆっくりと託し上げ露になったノーブラの乳首を指先で弾く。
程よい弾力、そして周囲の盛り上ったサクランボ色の乳輪──
やっぱいつ見てもエロい…。
俺はそこだけを集中的に犯し始めた。
チュッと軽く吸い付いては放し、強く吸引しては乳輪ごと口に含み舌先で乳首を転がす。
くぐもった声を唇の脇から漏らして喘ぐ晶さんを眺めながら言葉をつづけた。
「無防備過ぎる晶さんはさ…たぶん俺じゃなくても絶対どっかの男に犯されるな──ってさ…俺思うんだよね…」
「ふ…っ…ンッ」
「でもそれってさ──やっぱ許せないじゃん?…恋人の俺を差し置いて…ってさ?」
起立しはじめた乳首を指で挟んで優しく捻ると、晶さんは快楽に息を切らしながらゆっくりと身を捩らせた。
「乳首感じる?──」
「……っ…ンッ」
問い掛けに顔を反らして強く閉じた目尻に涙を滲ませている。