愛の天秤-5
・
我慢してた分、少し荒々しい──
それがなんだか興奮する。
首筋に潜り込んでキスをしながらたまに甘く噛んでは舌を這わす。
ぞくぞくとした甘い痺れ…
夏希ちゃんの熱い息。
隠る熱を吐きながら低く掠れた声で囁く言葉に身体中が疼く…
「晶さん…すき…っ…めちゃくちゃ好きっ…」
急ききる呼吸。時おり苦し気な夏希ちゃんの表情が月明かりを背にして色っぽく艶めく…
ああ、スイッチ入っちゃったね──
これは禁欲解禁全開だわ…
情熱的な夏希ちゃんの言葉責めが今夜は聞けそな気がする。
熱い唇が胸元を這う。
少しでも声を漏らそうならそこを集中的に犯し始める。
キスの雨を肌に受けながら少しずつ身に纏っていた布を剥ぎ取られ、見つめては覆い被さる夏希ちゃんの熱い責めはあたしの肌を震わせたっぷりと濡らしていた。
指先が下衣の中に潜り込む。
そこに触れた瞬間、夏希ちゃんの動きが止まった。
「…濡れすぎっ……」
そんな怒らなくても──
赤い顔で強く訴えてくる。
濡れるのはしょうがない…
「夏希ちゃんのせいじゃん…怒んないでよ…」
「……っ…ホントに俺のせいっ?…元彼のこと考えなかったっ?…」
赤い顔して悔しげに下唇を噛む。
「………」
「なんでそこで黙るわけっ?…もう、晶さんどんだけ俺を不安にさせるっ?…ほんとたまんないっ──…」
ガバッといきなり抱き締めてきた。
・
あたしもたまんない──
ほんと萌える──
夏希ちゃんて初やつだ──
また…
濡れてきちゃった…
「ああっ…」
夏希ちゃんの指先があたしの敏感な粒の頭を捕え優しく擦り上げてきた。
「あうっ…気持ちイっ…っ」
夏希ちゃんの 愛撫は凄く情熱的なのにとても優しい。
あたしの反応をしっかりと確めながら、一ヶ所の性感体でも探るように指先を這わせる。
粒の頭だけを小さく撫でて円を描く。痛みにも似た強い疼き──
夏希ちゃんの指の動きに合わせて、あたしの膝がビクビクと痙攣する。
そしてまたたっぷりの蜜を溢れさせた。
渇いた摩擦にならないように夏希ちゃんの指先があたしの蜜を絡めては小さな赤い粒に擦り付けてまたじんわりとした愛撫を送る。
「晶さんのここかわいい…すごく勃ってきたね」
「……っ…ああ…」
気持ちいい──
優し過ぎる愛撫。
夏希ちゃんはやっぱり手慣れてる。
首筋には荒く熱い息を吹き掛けながら指先は入念な動きを繰り返す。