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ラブプレイ〜Hな二人の純愛ライフ〜
【フェチ/マニア 官能小説】

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艷男-1


「よっ!長期休暇はどうだった?」

「………」

「お、だんまりか?この野郎」

「どうだった?じゃないって!予定じゃまだ休暇中の筈じゃんっ」

「まあそう言うなっ」

社長は煙草に火を点けながら笑っていた。
休暇中、社長からの連絡で事務所に顔を出した俺を社長はニヤニヤと見つめている。

「髭面で笑うと厭らしい!」

嫌味を返してやる。

「なに言ってんだ?厭らしいことしまくりなのはお前の方だろうが?」

「………」

言ってまたニヤニヤとする。

「話ってなに?」

喫茶店で話したことは楠木さんからとっくに聞いているはずだ。それこそ昨日の今日なわけだし──

急な呼び出しの内容を一体どう切り出してくるだろうかこの人は──

目の前の百戦錬磨の髭面顔と向かい合い、そんなことを考えていると社長はまたニヤリと意味深な笑みを浮かべた。

「ふん…なるほどな…人間らしい面構えになったじゃねえか…」


「どういう意味?」

「味がでてきたっつってんだよ!合格!」

「なにそれ?」

意味不明だ?




「しかし、またガッツリ咬んでくれたな?あ?役者の大事な顔を…」


俺の顎を摘み唇の傷を眺める。

「何して仔猫ちゃんを怒らせた?」

「──…レイプした」

「──…っ!?」

顎を掴んだ手を払い退けて言った俺の言葉に社長は驚いて目を見開いた。


「レイプして二回も中にぶち撒けた──」

ざまみろっ大いにビビれ!

そう焚き付けながら、どや顔でソファにふんぞり返ってニヤリと返してやった。

「なる……で、彼女は?デキたって言ったのか?」


「それはまだわからない」

「わからないのに結婚するってか?脅された訳じゃないんだろ?」

「ちがう」

「なんだ惚れ込んだのはお前か──」

「………」


俺は社長から目を反らした。



「まあ…お前はアイドルじゃないからな、男女関係のプライベートは多少の自由は許す…お前のマイナスにならなきゃな…」

「マイナスになったら?」


「なにが何でも──って方法とるしかねえな」

「へえ…そんな方法ある?」

社長は煙りをプカッと燻らせた。


「金使えばな……」

「あー…人相そのままの極悪だね…」

頭の後ろで腕を組みソファの背もたれに仰け反って伸びをして言った。

伸ばした背を戻してテーブルを挟んだ向かい側の社長に近づき悪人顔を覗き込む。

「なんでもやればいいよ──…俺、芸能界引退するし」

「引退?…は、お前がか?」

「するよ」

「演じる以外何もないお前がこっち(芸能界)辞めてなにする?山隠って壺でも焼くか?」

「──主夫になる……」

「は?」

「専業主夫になる…」

「おい、楠木!こいつ病院連れてけ」

「ははっ、いいけど何科に診せる?」

「妄想科なんてあったか?」

「ないな」

「──…っ…二人で何とでも言えば?死ぬまで遊んで暮らせる貯えはあるからね、専業主夫でもやっていけるっ…」

奥に居たらしい楠木さんが笑いながら受け答えする中で俺はそう言って退ける。



今すぐ辞めたって食うに困らない──

晶さんだって養っていけるさ

他の奴等が売れた証しだと言って車や時計、贅沢品に手を出す中…
確かに演じる以外、何も興味持たなかった俺だ。

だからこそ通帳にはたんまり金が詰まってる。

社長は俺の顔を見るとふん、と鼻で笑い煙草の煙りを吹き掛けた。

「やめろよチンピラっ」

煙りをはたきながら言ってやる。

仕草は見たまんまチンピラだ。

「たかが20年働いてきたぐらいでガキがほざいてんじゃねえ!働けもっとっあ?」

「……っ…」

ほんとムカつく口調だ。

「やだねっもう芸能界にいる意味ない。つまんねーし!」

「何がつまんねーだ?大したこと出来てもいないヤツが言うな!」

「──…っ…」

社長はムッとした俺の顔を覗き込んだ。



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