スローなラブで-3
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「ん!よく煮込まれてる」
「うまい?」
煮込んでから程よく冷めたハンバーグにまた火を入れて温める。一度冷ましたお陰で煮込み過ぎずに味がしっかりハンバーグに絡み食感もジューシーだ。
「途中でセクササイズして良かったかもね」
「ぶっ──…」
晶さんの屈託のない発言に思わず噴き出してしまった。
何とでも言うなあっさりと…
たっぷりと愛し合った後のせいか食が進む。もう二人でのこの生活が俺には欠かせなく成りつつある。
「明日、豚肉買うからしゃぶサラダしようか?キャベツの千切り沢山あるし」
「夕食?」
「お昼」
「──…明日休み?」
「うん」
「・・・」
仕事が休みと聞いて思いっきり顔が緩む。
「うれしい?」
「当たり前!」
晶さんと一日中一緒に居れる。嬉しくない筈がない。夕食も自然と進みが早くなり旨さも増した気がした。
食後の片付けも手早く済ませてテレビを見ながらゆっくり、いちゃいちゃしたい…
気持ちはまるで思春期だ──
執着のない恋愛ばかりを繰り返したせいか、晶さんとの恋はすごく新鮮だった。
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洗い物をしながら鼻歌を歌う。
ドラマ界のトップスターと言われた俺が彼女の為に料理して洗い物までして身を捧げてる──
この状況を社長が見たら笑うかもな…
そんな事を考えていると風呂場から音が聞こえた。
「え!?なんで?もしかして一人で入る気!?」
風呂に入る準備をしてる晶さんを見つけた。
「入るよ」
「待ってよ俺も入るから」
「え〜…」
「なんで?嫌!?」
「ゆっくり入りたいもん…」
「………」
なんだよ、常に一緒に居たいのは俺だけじゃん…
冷たいと言うかクールと言うか……
やっぱり想いの温度差が違いすぎる──
バスにお湯を全開に捻ってる当たり、自慢の長い脚を伸ばして入りたいんだろうけど……
「先に入ってて、すぐ来るから」
でも構わず俺は言った。
二人でくっついて脚を伸ばせばいいじゃんっ!
俺はタオルだけを手にして風呂場に向かった。