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恋人宣言
【女性向け 官能小説】

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その5階にエレベーターで無言で登って。
その間も、私の存在を確認するように
時々握った手をさらにギュッと力を込めてくる。

部屋に入り「適当に座って」そう言った青木は
冷蔵庫からビールを2本取り出してプスッとプルトップを開けると
「今年1年お疲れ」
と、私と乾杯した。

それでも無言の私に
「何?全てが気に入らないって顔してんな?」
と、可笑しそうに笑って。

「俺とセックスするのは嫌か?」
と単刀直入に聞く。

シュルッと音を立ててワイシャツからネクタイを抜き去って。
真冬だと言うのに第一ボタンを外した。

私の顎を持ち上げて。
寸前まで唇を近づけた。
「じゃぁ、俺とキスするのは?」

本当に30分前まで、同期だった男は
会社で見せる色気なんか俺の一部だよ。思い知ったか?とでも言うように。
最大限の色気を振りまいて。

そしてどちらかが1ミリでも動いたら唇が触れ合う距離にいた。

「何も言わないなら、キスするぞ」

青木ってクールでかっこいいよね。葵いいじゃん。。一緒に働けて。
そう食堂で呟いていた同期の真樹。
その言葉を、そう?と聞き流した私!

クールでかっこいいというより、こいつ、強引なんですけど。

「葵」

今までただの1度も呼ばれたことのない名前を呼ばれて。

ハッと我に返る。




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