平凡なひび-5
「夏希ちゃん…もっといっぱいキスして好きって言ってみて…」
「──…っ…」
そう言って夏希ちゃんをぎゅっと抱き締める。
夏希ちゃんは震える吐息を吐きながらあたしの首筋に顔を埋めて抱き締めた。
そのまま腰がスローな動きを繰り返す。
「はあっ…──すき…っ…」
きゅうっと子宮が反応すると夏希ちゃんは息を切らした。
浅く長く動いて
深くえぐる
奥を突くことなくその手前で行き交いゆっくりと擦り上げる
首筋に舌が這い
耳たぶを食んで聴覚に熱いため息を注ぎ
脳髄を甘く震わせる
「ああっ…いっ…」
「はあっ…もう限界っ…晶さん…っお願いだから…早く好きって言って…っ…」
ため息を送り込む度に柔らかく締め付けて
どんなにゆっくり揺すぶっても呼吸は早まり荒いでいく──
なんでこんなに好きなんだろう──
そんな想いを抱きながら、がんとして好きという言葉を言わないあたしの意地悪さに切なく顔を歪ませる
その表情に胸が締め付けられて──
どうしようもなく甘く疼いた…
「晶さんっ…もう俺泣くっ…」
熱い目尻に涙を溜めて首筋に顔を埋めると、夏希ちゃんはそう言って二度目の欲を打ち放した。