前編-9
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私の躰が微妙に動く度に微かに聞こえる笑い声…
「先週スペインから届いたばかりなの…凄くいい香りでしょ?…」
彼女は背中越しからそう声を掛けると後ろから私の鎖骨に手を回し、そっと胸元に添って滑らせてきた。
「あっ……」
上擦る唇をぐっと堪える。
不思議な感触…
彼女の手にあったソープが私の胸元から胴体へとまんべんなく拡がっていく…
「女性の肌はデリケートだから…いきなり強く擦っちゃダメ…ゆっくりとお湯で湿らせて、皮膚を柔らかくするの…」
ソープの甘い香り。それと彼女の囁きがうっとりとしてきた私を誘っているようだ。
「十分に水分を蓄えた肌はソープを付けて上から撫でるだけで綺麗に生まれ変わらせてくれる…」
「んっ…」
「どう…綺麗になる気がするでしょ…」
「…あっ……は、いっ…」
唇を噛み、されるがままの私…
窺うように私の肌を這い回る彼女の手は私の理性をそっと解きほぐしていった…
さらりと何度も乳房の上をかすめる彼女の手の刺激に少しずつ乳首が硬くなり始める。
なんでこんなに…
違うの………
主人しか知らない私の躰。
初めて与えられた不思議な感触。