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躰の奥から熱い何かがドッと溢れた気がした…
硬直しきった躰から一気に力が抜け果てしない疲労感に見舞われる。
でもそれがすごく心地いい…
じんじんとまだはっきりと脈を打つ肉芽からは強く甘い疼きが送られてきている…
「彩…」
ぐったりとなったあたしから体を放し先輩の柔らかく綺麗な手が頬を包み込んだ…
「可愛いね、彩…寮に入った時から目をつけてたけど……やっぱり彩に決めた…」
先輩はそう言って優しく微笑むとあたしにキスをした。
‥決めた?‥何を?
朦朧としながら微笑む先輩を見つめ返す
「彩‥あたしにもっと苛めて欲しかったら今夜、夜中に部屋を抜けておいで‥たくさん気持ちよくしてあげるから‥もちろんこっそりだよ…」
“いっぱいイカせてあげる…”
耳元で甘く囁く艶のある声にあたしは胸をときめかせる。
開けてはいけない禁断の部屋への扉。
そこの主はあたしを甘い世界へと誘惑する…
刺される度に甘い快感を送るイバラの棘に絡み捕られたあたしはとっくに帰る路さえも忘れてしまっていた…
‥先輩‥
あたしを離さないで下さい‥
もう、きっと‥先輩なしでは生きていけないから…。
fin