unripe fruits-4
ムードとかテクニックとか、そんなことは俺の頭にはさらさらなかった。
言ったって、まだ中学2年のガキだ。
恋だって、水野さん可愛いとか、1個上の誰それが美人だとか騒ぐ程度の俺が、恋愛をすっ飛ばしていきなりセックスだ。
余裕なんてあるわけがない。
半ば引きちぎるように剥ぎ取ったブラを、床に投げ捨てて、桜井の胸に視線を落とせば、思わず息を呑み込んでしまった。
「すげ……綺麗」
そして思わず出てしまったため息。
美しい物を見るとホウッとため息が漏れる、あの感覚と同じだった。
それほどまでに桜井の胸は美しかった。
白い肌に、お椀型のまるいおっぱい。乳輪はほんの少し大きめでピンクで、キツかったブラの跡が艶めかしく赤く残っていた。
これが、あのダサい桜井の胸だった。
「の……のむら……、そんなに見ないで……」
両手をクロスさせて胸を隠すその仕草がまた、俺の身体を疼かせる。
「なんで? すげえ綺麗なおっぱいしてる……。桜井、いい身体してんじゃん」
「そんな恥ずかしいこと言わないでよ……。ただでさえ見られて恥ずかしいのに」
「そんなに恥ずかしい?」
「うん……」
「なら、メガネ外せよ。そうすりゃ見られてるってわかりにくいだろ」
そう言って、桜井のメガネをそっと外し、ベッドのヘッドボードの収納にそっとそれを置いてから、再び桜井を見る。
「…………」
呆気に取られる俺に、彼女は小さく俺を睨みつけた。
「な、何、人の顔ジロジロ見てんのよ」
「あ、いや……」
自分の顔が紅潮していくのがよくわかる。
メガネを外すと実は美人なんて、そんなパターンではなかったけれど。
だけど、桜井の瞳は息が止まりそうなほど綺麗に澄んでいたのである。
長い睫毛。潤んだ形の良い少し釣り上がり気味の瞳。ぷっくり膨らんだ涙袋。
今まで意識したことなかったけど、桜井は実は結構俺の好みかもしれない。