unripe fruits-2
「……もうやだ」
今にも泣き出しそうな桜井は、恥ずかしいのか悔しいのか、ただただ身体を震わせて俯くだけ。
クシャクシャに握りしめるスカートの裾から覗く白い太ももが目に入る。
水野さんほど細くはないが、なかなか引き締まった脚のラインが、なんだか女らしくてゴクリと生唾を飲み込んでしまう。
それだけじゃない。
白いうなじも、潤んだ瞳も、艶やかな唇も、そして、制服の上からでもわかる、ふくよかな胸のラインも。
ダサくて意識なんてしたことがなかった桜井は、れっきとした“女”であった。
何だ、身体の芯がやけに熱く痺れてきた。
桜井を見ているとたまらなく何かが込み上げてくる。
触れたい。もっと、桜井に触れてみたい。
自分でもわからない“何か”が、勝手に俺の身体を操り出す。
「桜井……」
そっと彼女の頬に手を添えると、熱でもあるんじゃないかと思うくらい、火照っていた。
俺に触れられて、ビクッと震える彼女の身体。
怯えるその姿すら、俺をいちいち煽ってくる。
くそ、もう引き返せそうにねえ。
そんな桜井の顎を掴んで、強引に自分に向けさせると、俺はそのままそっと唇を重ねた。
「…………!」
驚いて目を見開いた桜井だけど、抵抗する素振りはほとんどなかった。
あまりの急展開に頭がついていかない、そんな所か。
俺にとって、初めてのキス。
桜井の唇は本当に柔らかくて、弾力があって、ほんのり濡れた冷たい感触に、湧き上がる欲情を抑えることができなかった。
「桜井……、お前もこのDVD観て、興奮しちゃったんだよな?」
「ち、違う……」
「俺はすげえ興奮してるぜ? ほら、こんなになってる」
いつの間にか貝殻繋ぎをしていた桜井の手を、自分の脚の間に導くと、すっかり硬くなった俺のペニスに、桜井が驚いて息を飲み込んだ。
触らせることに抵抗はなかった。
むしろ、もっと触れて、俺だって男だってことを知ってもらいたかった。
「男って、興奮すると、こうなるんだよ」
「あ……」
「セックスすると、あのAV女優みたいにすごく気持ちよくなれるんだぜ?」
桜井は黙ったままだが、俺の脚の間に触れた手を引っ込めようとはしなかった。
その反応だけで充分だった。
だから、俺は。
「桜井、あれと同じことしてみねえ……?」
顎でテレビ画面を指した先にあるもの。
『んああっ……、ああっ、あっ、気持ちいい……!」
そこには岬はるかと男がいつの間にか一つになって快楽を貪る姿がそこにあった。