悪鬼-9
見上げる瞳に涙が浮かんでいる。
タケルは、満足げに上から眺めていた。
許すつもりはなかった。
また、後頭部を抱え込んだ。
母の頭は逃げなかった。
慌てたように口を開くと、また喉の奥深くまで呑み込ませた。
「ごふぉ!……ぐふぇっ!……」
息のできない苦しさと、喉を塞がれる辛さに獣のような呻き声をあげる。
ももに置いた手は、タケルを突き放そうとするが、その腕には、あまりにも力がない。
「手を後ろに組め……」
冷たい目で見おろしながら、抑揚のない声でいった。
母が、慌てたように両手を背中に組んでいく。
思った通りだった。
口の中にはタケルのペニスが入ったままだ。
根本まで呑み込んでいる。
いきり立った長大なものが、深々と喉の奥に突き刺さっている。
にもかかわらず、母は抵抗する術を自分から放棄した。
このような口虐が初めてではない。
わかっていた。
タケルはゆっくりと腰を前後させはじめた。
何度も根本まで押し込んだ。
苦しさに獣のような呻きをあげても、背中に組んだ母の手は戻らない。
母の口から吐瀉物が溢れ出した。
それでようやくやめた。
勢いよく抜いてから、そのまま突き放すように母の身体を押し倒した。
床の上に倒れ込んだ母は、胃の中のものを吐き出しながら苦しげに肩で息を継いでいた。
その母の頭を、無情にもタケルは踏みつける。