悪鬼-7
今は、出しきったせいか幾分余裕がある。
母の舌が、すぐにタケルに応えるようになる。
「吸えよ」
タケルはいったん唇を離すと、今度は舌を長く伸ばして見せつけた。
母は、その舌を唇にはさむと素直に吸いだした。
やわらかい尻を抱えて引き寄せる。
ミナとは比べものにならないほど豊かな肉感に満ちた尻の狭間から手を滑り込ませて、母の性器へと届かせる。
「……あは!……はぅ……」
伸ばした指で膣のなかをまさぐった。
掻き混ぜるように乱暴に動かしていると、母の手も自然とタケルのペニスを握ってくる。
密着させるように肌を押しつけて、手にしたものを大事そうに手のひらでしごきはじめた。
タケルは、唇を重ねながら舌の先で歯の裏を舐め、歯茎を舐め、口の端からこぼ出る唾液をすすりとった。
母の苦しげに吐く息が、鼻の穴に飛び込んでくる。
はじめて母の吐く息の匂いを知り、甘い唾液の味を知った。
見慣れた顔のはずなのに、そこにいたのはまったく見知らぬ別の女。
母に淫らさを感じたことなど、一度としてない。
だが、こうして裸にしてしまうと、たとえようのない淫らさしか感じない。
どちらも、言葉はなかった。
母には禁忌の世界に足を踏み入れた恐怖があったのだろうが、タケルはそうじゃない。
唇を離した。
母をじっと見つめた。
年の差は20歳以上もあるはずなのに、なぜか年齢を感じなかった。
母の面立ちに幼さが残っているせいもあるが、それよりも、タケルはすでに自分がこの女の新たな主になったことを自覚していた。
母は、タケルに見つめられて、今にも泣き出しそうな顔をしていた。
叱られた子どものような顔だった。