悪鬼-2
タケルは、母のシャツに指をかけた。
正気でなどいられるわけがなかった。
股間に生々しい感触が残っている。
まだ、はっきりとペニスは母の唾液にまみれきっている。
逡巡などなかった。
タケルは母のシャツの襟を握り込むと、渾身の力を込めて左右に引き裂いた。
「ああっ!タケル様ああぁぁぁっ!!」
絹を裂く音と一緒に、母の気の触れたような叫び声が室内に響く。
拒絶ではなく、歓喜を教える叫びだった。
タケルも気が触れたように母の服を引き裂きまくった。
母は、昨日と同じ服を着ていた。
襟の大きな白のシャツに芥子色のカーディガン。
どちらも、ただのボロ切れと化すまで引き裂き、ブラも力任せに奪い取った。
こぼれ出た乳房を隠すように、母が背中を丸めて、重ねた腕で胸を隠そうとする。
背中を向けて泣いているくせに、タケルの手からは逃れようとしない。
タケル様、タケル様と、叫んでいるだけで、いっさいの抵抗をしようとしない。
スカートもめくり上げると、無造作に奪い取った。
ほっそりとした足が目に飛び込んできて、タケルは脳を灼いた。
躊躇いなど微塵もなかった。
最後の一枚も乱暴にむしり取った。
すべて奪って丸裸にすると、有無をいわせず胸をあわせて、タケルは母を腕の中に閉じこめた。
前戯などするつもりはなかった。
ただ、ひたすらそこが欲しくて急くよう母の膝を割った。
強引に腰を押しつけて自分の手のひらに握りながら目指すべき場所を探した。
ペニスの先で探っていると、急くように母の手が伸びてきて、握った手のひらが目指すべき場所へと導いてくれる。
ペニスの先がかすかに沈んで濡れた粘膜に包まれた。
何がなんだかわけがわからない。
脳が灼き切れそうになっている。
股間がどうしようもないほどに疼いている。
今にも暴発しそうだった。
我慢などできるものではなかった。
なにも考えなかった。
タケルは教えられた場所めがけて、一気に押し込んだ。