orange-5
俯いた桜井の顎を掴んで、顔を上げさせる。
ニキビ一つない桜井の肌は、絹のように滑らかだ。
そんな彼女の小さな顎を、やや強引に画面に向けさせた俺は、桜井の耳元で、
「本当に興奮してねえのか? ちゃんと観ろよ」
と囁いた。
『やっ……、ああっ、あっ、ダメッ……!』
画面は未だに続くクンニシーン。
割れ目に沿って、舌を上下に行き来したり、膣に尖らせた舌を挿し入れたり、クリトリスを小刻みに突いたり、念入りに愛撫されているうちに、岬はるかの胸元が桜色に染まりつつあった。
「や、やだっ!!」
桜井は身をよじらせて画面から目を背けようとするけれど、力ずくでそれを阻む。
小さく暴れる桜井を押さえつけようと、俺は後ろから抱き締める姿勢を取った。
鼻をくすぐる桜井の柔らかい髪からは、甘いオレンジのような香りがした。
品行方正な桜井にふさわしい、甘く爽やかな香りだ。
その匂いを吸い込みながら、耳元でまた囁いてやる。
「マンコ舐められて、すんげー気持ち良さそうだよな、この女優」
「そ、そんなの知らない……」
「お前、本当にこれ観て興奮してこないわけ?」
「…………」
桜井は泣きそうな顔になって俯いた。
途端に視界に入るうなじがやけに白くて生々しい。
酒井が言ってた、理想のおっぱいをしているという桜井。
彼女の胸もこのうなじのように白いのか、想像すると生唾が込み上げてくる。
ヤバい。
止まらないーー。
刹那、テーブルの上に置かれたどちらかのグラスから、氷がカランと音を立てた。
減っていないオレンジジュース。グラスの外側は水滴がたくさんついている。
その水滴がツウッとグラスを撫でながら流れ落ちたその刹那、何かが弾け飛んだ俺は、
「興奮してないのか、確かめてやるよ」
と桜井のうなじに口づけをした。