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unripe fruits
【学園物 官能小説】

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strawberry-3

「桜井」


「何よ」


「お前、こういうのに興味は全くないわけ?」


「ない」


バッサリ一刀両断の桜井は、隙を全く見せない。


全くもって、可愛くねー。


フンと鼻を鳴らしてから、彼女はさらに続けた。


「こういうの観て興奮する奴なんてケダモノとしか思わないし」


「ほー……」


言ってくれるじゃねえか。


その発言は、男全部にケンカを売ってるとみなしたぞ?


いつも俺に対して強気な桜井には、口喧嘩で勝てた試しがない。


その生意気な横顔を見てると、今までの連敗記録が蘇って、自然と下唇を噛み締めてしまう。


コイツをなんとかギャフンと言わせる術はないものか。


艶々赤く輝くイチゴのヘアゴムを眺めている内に、頭の中の電球が光り出す。


そして俺は、自分の肩くらいまでしか身長がない桜井の顔を覗き込んだ。


「……じゃあ、お前はこういうの観ても興奮しないってんだな?」


「当たり前でしょ、他人の裸なんて気持ち悪いとしか思わないわ」


眼鏡の奥の強気な瞳が、俺を睨みつける。


よく見ると、スッと鼻筋が通っていることに気付いて、俺はニヤリと不敵に笑った。


そのいけ好かない鼻っ柱、へし折ってやる。


「じゃあさ、桜井ーー」


そう思いながら、俺は口を開いた。








「おじゃまします……」


桜井は恐る恐る、俺の部屋に足を踏み入れた。


「そんなよそよそしくしなくていいよ、家には誰もいないから」


そう言って俺は、冷蔵庫から持ってきたオレンジジュースをグラスに注ぎながら桜井に手招きした。


言われて遠慮がちにローテーブルに座る桜井は、すっかり借りてきた猫のよう。


さっきまでのケンカ腰の姿はどこに行ったのやら。


勝気で、猫のようなつり目が、せわしなくあちこちを見つめていた。






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