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わたしを見つめて
【熟女/人妻 官能小説】

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1)-4

 もうすぐ昼になる。
昼ごはんもリビングに刑事がいたら作りにくい。昼食を取りに一旦外に出てくれないだろうか?
佐枝子はやることもなくスマホをいじりだした。夫からメールもラインもない。忙しいのだろう。
「早く帰って来てよ」
佐枝子はため息をついた。


「奥さん、奥さん」
その声に佐枝子ははっとした。
ベッドに転がっているうちにうたた寝してしまったらしい。
スカートから伸びる足を、刑事はじっと見下ろしていた。
「なんですか。勝手に寝室に入るなんて!」
「すいません。お呼びしても返事がなかったので。トイレをお借りしたんですがね。それとも、勝手に探してもよかったですか?」
そんなに広いマンションではない。嫌味かと思うとまた腹が立つ。
廊下の右側です!強い口調で答えると「怖いなぁ」と笑って出て行った。
ああ、気味が悪い!佐枝子は身震いした。

 結局昼食も抜いて、辺りはすっかり暗くなった。
さすがに夕食の支度はしなくてはならない。もう帰ってもらおう、佐枝子はそう決めてリビングに入った。
薄暗い部屋で、刑事はまだ窓に向かっている。
「刑事さん。もう主人が戻ります。夕飯の支度もしたいですし、お引取りください」
「どうぞ、私に構わずやってください。私も帰りたいのは山々ですがね、これも仕事なんで」
「もう十分協力しました。これ以上は迷惑です。お隣にでもお願いしてください。うちはもうお断りします」
「わかってくださいよ、奥さん」
「署に電話しますよ。だいたい、あなたは失礼だわ」
「奥さん」
刑事が近づいてくる。長身の影がゆっくりと。
「帰ってください」
キッチンカウンターの子機を取って電話をするそぶりを見せた。さっき新宿署の番号を調べたが、忘れてしまった。スマホは寝室だ。
「?」
子機から聞こえるはずの発信音がしない。よく見ると、オンオフのライトが消えている。
電話が通じていない?
「わかってもらえませんか?」
よく見ると充電器の付け根からコードが切られていた。



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