落書き犯の正体-6
「ありがとう!」
「えっ?何が…。」
哀愁漂う人気の無い公園。私は風馬君に声を掛けられ、共に公園を歩んでいる。
「もしかしてあの教室での件の事?いいよいいよっ!アレは別に風馬君を、いや部員が
責められているから、助けただけで。」
「殺人犯…かぁ。」
「風馬君!…駄目よ、あんな奴らの言う事間に受けたら。」
「君はどう思う?」
「どうって、別に。」
「別にって…、だって僕は。」
「そうね、柊さんの話からして貴方は彼女にしつこく付きまとって、例の彼氏さんを刺したって言うのも間違いないんでしょうね。」
「だったらぁ。」
「でも、それが何?」
「へ?」
「そんな事をしても貴方はこうして今は、反省してるんでしょ?でなきゃ。」
「……稲葉さんは、さぁ。」
「うん?」
「僕の事、好きなんだって?」
「……へっ!?」
心臓に思いっきり矢を放たれたようにドキッとする。
「なっ、何よ急にっ!」
「でも、僕は君を好きにはなれない。」
「……。」
何よそれ、おちょくってるの?
「でも…。」
「?」
「あの人への思いを断ち切る事が出来たら、その時は…。」
「えっ?」
それって…。
「ディズ○ーだっけ、今流行りの映画は。」
「えっう、うんっ!そうだけど。」
「一緒に、いこっか…。」
「!風馬、君……うんっ!」
舞い上がるように嬉しい。そう言うと彼はニカーと子供のような可愛らしいスマイルを
見せる。
風馬、君……好き。