私の知らない啓太-1
「ハァ…っ ん、ハァハァ……っ」
息が苦しくて言葉が出ない。まるで全身が性感帯になったみたいに敏感で、身動きさえも上手く取れない。
「あ…… やんっ」
そんな私の腕を取り、そっと胸元へと優しく抱き寄せる啓太。
「もしかして……イけたの?」
「ん、イっちゃった……」
「ちゃんと気持ち良かった?」
「うん、すごい……良かった、よ」
ヒクヒクと蠢く膣内、止めどなく溢れる淫蜜、私はしばらくの間、深い快楽の余韻に打ちひしがれるも、
「……?どうした?」
「や、別になんでもない、よ」
次第に冷静さを取り戻すや急に恥ずかしさが込みあげて来て、私は思わず啓太の胸に隠れるように顔を埋めた。
誰かの前で絶頂を迎えるのが、こんなにも恥ずかしい事だなんて思わなかった。そもそもがひとり勤しむ行為の褒美みたいなものだったから、まるで秘め事を覗き見られたような、そんな不思議な感覚に戸惑いが隠せない。
しばしの沈黙。けれど、すぐにそれを打ち破ったのは、啓太の意外な一言だった。
「……ごめん、疲れてるとこ悪いんだけどさ、その……先に謝っとくな?」
「え?な、何? あ、きゃぁっ!?」
そう言うや啓太はその身を起こし、私の体をうつ伏せにさせたかと思うと、両脚を大きく開かせながら、腰を高く上げさせ、突然後ろから突き上げるように、思いっきり腰を入れてきた。
「や、どうしたの急にっ あ、んんっ やあぁっ!?」
思わず大きな声をあげながら、背中を仰け反らせる私。
「悪いな?誰かさんのせいでかなり興奮しちゃってるからさ、ちょっと激しくしちゃうかもだけ……どっ」
「んあぁっ や、待って? そんな奥まで…… んあっ やあぁっ」
息つく暇も与えぬほどに、見る見る腰の動きを速めていく啓太。突き上げると同時に、私の体を引き寄せるものだから、いつにも増して深い場所ばかりが刺激される。
「や、啓太っ んっ すごいっ あ、んやっ 激しす……ぎっ んあぁっ」
啓太の腰の動きにつられ、私の体が激しく揺れる。
私は両手できつくシーツを掴みながら、必死の思いで体を支えようとするも、絶え間なく与えられるその刺激に翻弄されて、ただただ大きな声を上げてばかりいた。
「あっ いやっ んっ い、いいっ 啓太っ そこっ んんっ はあぁっ」
荒々しい息づかい、普段とは比べものにならないほどに乱暴な腰つき。
なのに、それなのに私の体は、きつく膣内を締め付け、淫蜜を垂らしながら、どこか更なる高みを求めるように、しっかりとそれを受け入れている。
いつもより激しいのは、私がはしたない姿を見せたから?それとも私が知ってる啓太もまた、まだホントの啓太じゃなかったという事?
私は真っ白になりかけた頭で、ぼんやりとそんな事を考えながらも、すでに体力はとっくに限界、
「あ、んやっ んああぁぁっ!!?」
ようやく啓太の腰の動きが止まるやいなや、なんの予兆もなく、気がつけば激しい二度目の絶頂を迎えてしまっていた。