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可愛い弟子
【ロリ 官能小説】

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重丸の苦悩-2



――シホの勤める病院内――


昼間は、雑多な人たちの喧噪でにぎわうロビーも、夜ともなれば、まったく静かなものだ。
死んだような静けさ、と言うが、まさしくここは、人の魂が肉体から離れていく場所。
再生の場でもあるが、運悪く突然の旅立ちを迎えてしまった者は、まだ死を理解できずに、この辺りをさ迷っているのかもしれない。

(あそこのロビーで、夜中に白い服を着た女の人を見た、って女の子がたくさんいるの。)
(し、白い服って看護師さんじゃ……ないの?)
(ううん。うちの女の子たちの服はね、階によって色が違うの。薄い青の子もいれば、ピンクの子もいるけど、白のナース服ってないのよ。)
(そ、そうなの?……)
(うん。それにね、地下に遺体安置所があって、それがどうもロビーの真下になるらしいの。だから、まんざら嘘って話にも聞こえなくて、怖がってる女の子も多いのよ。)
(へ、へぇ……シ、シホちゃん、よく、知ってるねぇぇ……。)

聞かなきゃ良かった……。
やな事思い出しちゃったなぁ……。
このロビーの下には、遺体安置所。
今夜も、そこには、誰かが眠っている……のか?。
夏だというのに、妙な涼しさがあった。
涼しいというよりも、それは、寒い、と表現したほうが正しいのかもしれない。
背中から、忍び寄るような冷気に、肌が泡立っていくのがわかる。
底冷えのするような冷たさは、この時期には異常すぎる。
不意に背後から、コツ、コツ、と足音が聞こえてきた。
それは、一定のリズムを刻んで、ゆっくりと近づいてくる。
すっかり灯りの落とされたロビーは、受付のカウンターにわずかな光があるだけで、その受付には誰もいない。
というか、このロビーにやってきてから、ただのひとりも人影を見ていない。
ここは、まるで現実の世界から切り離された異空間。
オレは、いつの間にか、違った世界に迷い込んでしまったのかもしれない……。
恐ろしくて、振り返ることができなかった。
足音が、すぐそこまで近づいてくる。
そして……オレの真後ろで、ぴたりと止まった……。

ひぇぇ……ナンマンダ……。

「お前、風邪ひくぞ。」

「えっ?」

後ろを振り返ると、缶コーヒーを手にしたシゲさんが立っていた。

「エアコンの真下じゃ、風邪をひくと言ってるんだ。あっちへ行こう。」

エアコン?
真上を見上げた。
吹き出し口がある。
ああ!なるほど!
寒いはずだわ……。



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