心の傷-4
「ツグミちゃん……」
ツグミって……誰……?
「なに言ってるの?……ツグミちゃんは、あなたよ……。」
違うよ、わたしは、コトリだよ……。
「あなたは、ツグミちゃんよ……ねえ……早く、お風呂に入りましょう……。」
い、いいけど……。
「また……気持ちよくしてくれる?……。」
どうするの?
「こうするのよ……。」
ヤダ!そんなとこ触らないで……。
「あら?……どうして、ないの?……。」
なにが?
「蝶の入れ墨がないわ……。」
いれずみって?
「ここに、綺麗な絵が描いてあったでしょ?……」
ないよ、そんなの……。
「嘘よ……ほら、わたしみたいに蝶の入れ墨がここに描いてあったでしょ?……」
どうして、そんな変なところに絵が描いてあるの?
「あなたも、描いてあったわ……どうやって、消したの?……。」
そんなの描いてないもん……。
「ウソ。どうやって消したのか教えて……これが、あるとママが迎えに来てくれないの……。」
ママ?
「そう……この入れ墨があるから、ママが迎えに来てくれないの……。だから、どうやって消したのか教えて……。」
なに言ってるかわかんない。
「ねえ、意地悪しないで……。早く教えて……。」
怖いよ、お姉ちゃん……知らないものは、知らないよ……。
「ウソよ……早く教えなさい……ママに逢いたいの……また、ママと一緒にあの人に可愛がってもらいたいの……だから、早く教えなさい……。」
ちょ……なにするの……やめて……苦しいよ……。
「さあ、早く教えるのよ……さっさと、言いなさい……さあ……早く言え!!!」
お姉ちゃん!!……く、苦しいよ……。