記憶-1
第17話 〜〜「記憶」〜〜
空気が、揺れた……。
誰?……コトリか?……。
自室に戻っていた。
鍵は、言われたとおり秘密の場所へ。
狭いベッドの上。
微睡みながら、コトリが帰ってくるのを待っていた。
寝不足の頭。
意識は、知らず知らずのうちに、ゆっくりと深い谷間へ墜ちていく。
起きているつもり。
でも、脳は、すっかりレム状態。
ぼんやりとおぼろな意識の中に、かすかに聞こえてくる足音。
玄関の鍵は、掛けてなかった。
コトリなら、当たり前のように入ってくる。
だから、可愛い……。
意識が、開かない。
傍らに佇む気配。
おいで……。
ちゃんと、跨ってくる。
可愛いヤツ……。
シャツの上からでもわかる、柔らかい肌。
ん?でも……重さが違う。
コトリじゃ……ない。
シホ?
いや……。
シホでもない!!