孤独な王様-1
第12話 〜〜「孤独な王様」〜〜
あるところに、孤独な王様がすんでいた。
王様は、孤独だったけれど、財力はあった。
その財力を使って、王様は、孤独のさみしさを埋めようと思った。
王様は、女を、飼いはじめた…………。
ひとり、ふたり、と金で買われた女たちが、王様の城に連れてこられる。
みな、人形のように美しい顔をした女たちだ。
王様は、連れてきた女たちをひとつの部屋に閉じこめた。
どこへ出ることも許さなかった。
金で買った女たちだ。
女たちは、王様だけのものだった。
女たちは、外の世界を恋しがった。
だが、魔法をかけられて、動くことができなかった。
動けなくなった女たちを、きれいに並べ、王様は、毎晩慰みものにした。
やがて、女たちは王様を恨むようになった。
どこへも行けない。
好きなことも出来ない。
夜になれば、裸にされ、狂ったように弄ばれる。
恨んでやる……。
呪ってやる……。
殺してやる……。
怨念が、女たちに取り憑いた。
そして、ある晩、動かないはずの女がひとり、しずかに立ち上がった……。