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可愛い弟子
【ロリ 官能小説】

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孤独な王様-5


第2節 



お腹がすいた……。

タカコは、空腹感に目が覚めた。

ぼんやりと映るおぼろげな視野の中に、見慣れた家具を認めて、そこがリビングであるのに気がついた。

どこからか、いい匂いがする。

これは……お寿司の匂いだ。

甘い酢飯の匂いが、かすかに鼻に漂ってくる。

身体を起こそうとして、タカコは、自分の両手が動かないのに気がついた。

まただ。

また、アイツらは、忘れていったらしい。

両の手首に、革のベルトが巻かれている。

厚くて頑丈そうな堅いベルトが、金属の輪を通して、二つの手首を繋いでいた。

タカコは、両手で床を押しながら、身体を起こした。

自分の足に目を向けた。

足のベルトは……繋がってない。

少しだけ、ほっとした。

この前は、足のベルトも繋がったままだった。

おかげでトイレに行くことすら、ままならなかった。

我慢できなくて、飛び跳ねながらトイレに行った。

用を足しても、両手は繋がり、足を開くことも出来なかったから、きれいに拭くことも出来なかった。

夜になってやってきたアイツらに、お尻を開かれ、臭いとなじられた。

お風呂場に連れて行かれ、水を掛けられた。

もっとキレイにしてやると笑いながら、頭からオシッコまで掛けられた。

でも、冷たい水よりも、温かいオシッコの方が、まだマシだ……。

タカコは、虚ろな目をテーブルの上に向けた。

寿司桶がある。

まだ、いくつか中に残っていた。

タカコは、寿司桶を手にした。

床に置いた。

じっと中を見つめた。

手を使って、摘むことは出来る。

だが、タカコはそうはしなかった。

床に胸を併せるようにして、伏せていった。

寿司桶に顔を入れて、口だけで食べた。

犬は、手を使うことを許されてない。

タカコは、犬だった。

アイツらに従順に奉仕するだけの愛玩犬だった。

アイツらは、いない。

でも、そうすることが相応しいように思えてならない。

犬としての生活が、すっかり身に染みついている。

寿司桶に顔を入れていると、寝室のドアが開いて、中から女が現れた。

「ママ……。」

ママと呼ばれた女は、虚ろな目でタカコに一瞥をくれただけで、フラフラとトイレに向かってしまう。

短いキャミソールの下着は肩紐が落ちて、片方の乳房が露わになりかけていた。

長くてストレートだった清潔そうな髪の毛も、今はきついウェーブがかけられ、所々が跳ねている。

顔には、濃い化粧がされ、唇には毒々しい真っ赤なルージュが塗られていた。

水の流れる音がして、また女が戻ってくる。

「ママ、お腹が減ったよ……。」

タカコは、繋がれた両手を差し出し、精一杯懇願してみた。

しかし、女は魂の抜けたような顔を前に向けているだけで、タカコに目を合わせようともしない。

そのまま、また自分の部屋へと戻ってしまった。

ガサガサと音がして、すぐに寝室からは、なにも聞こえなくなる。

これから、また眠るのだ。

ママと呼んだ女は、もう、目覚めることはない。

今から、深い眠りの中に落ちていく。

夜になり、あの男たちがやってくる、それまでの間……。


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