日焼けのあとに-1
第11話 〜〜「日焼けのあとに」〜〜
ハァハァ…………ハァ……。
クソッ!なんて暑さだ!
無性に腹が立って、ならなかった。
体中から噴き出した汗が、幾筋もの弧を描いて不快に肌を流れ堕ちていく。
白い砂の上に、黒いシミが無数に散らばった。
陽は、まだ沖天にも届かず、空には大きな入道雲さえあった。
にも関わらず、視界は陽炎に歪んで、まともな景色を映そうともしない。
狂ってる……。
そうとしか、思えない……。
目の前に、横たわる2体の身体。
ほとんど半裸の美しい女たち。
ぼんやりと、見つめた。
どんなに見つめたところで、ふたりは、もう、ピクリとも動かない。
どうして、こんな事に……。
苛立ちに、手にしていたシャベルを荒々しく放り投げた。
このまま、ここに埋めていくべきか、それとも、どこか違うところに運んで、捨てるべきか……まだ、迷っていた。
愛車のトランクは、そんなに大きくは、ない……。
こんなはずじゃなかった。
こんなはずじゃ……。
頼むから、動いてくれ!!
魂の慟哭さえ、もはや、あのふたりには届かない。
頼む……。
お願いだから、動いてくれ…………。